「JI」90年5月号 「悪魔の冷酷から生まれた共産主義は、人を憎しみに生きる心に変える」
         ラファエル様  
 春の美しい愛の季節から生命の活発な成長期五月へと移り、
大気の温暖化も日増しに感じられる気候となってきます。
 人も動物も新緑の戸外を求め、太陽と自然の中の健全な時間を楽しもうとします。
 私が人の愛について引き続き語るのは、
共産圏の世界がマルクス・レーニン主義の陰惨な地獄を見て、
天国に住むが如き自由世界を求めていた折も折、
ソ連のゴルバチョフ体制がグラスノスチとペレストロイカ路線を取ったことで、
ダムの水門を開けたと同様に奔流のように自由へと政治改革が為されてきている現状を見て、
更に"愛"の価値を説く必要を感じているからです。

 ユダヤ民族以外のあらゆる民族の破滅を願って人への憎しみと共に練り上げた
マルクスとエンゲルスの合作、共産主義理論には人間愛などあろう筈はなく、
殺意と破壊の意図しか込められていないが故に、
それを「万人の自由と自主を望む」などと勘違いして信奉し、
家庭と体制と国家の崩壊に向けて、あらゆる破壊を試みた結果であるのに、
左翼評論家の詭弁として、"マルクスの思想に基づく実験は袋小路に入り、
崩壊と再建(ペレストロイカ)の過程にある"に過ぎないから、
思想、言論の自由に基づき、日本人による"マッカーシズム(赤狩り)を戒めるべきだ"
との論調(サンケイ新聞四月五日付読者欄の「時評」村上兵衛氏筆参照)が台頭しているのは
頑迷と言うよりも、あれほどの史上に類を見ないイデオロギー殺人や破壊を何とも思っていない
人間愛欠如の性格を垣間見て、悪霊の予備軍として、肌寒いものを覚えました。

 日本人と言わず、かくも頑迷な左傾論者や心情左翼の学者や文化人、
そしてマスコミ関係者は西側の自由先進諸国に
(反体制論者が西側では殺害を免れてきた故に)数多く居り、
そして正にこの人々が間接的に、
共産圏や政権の国々の半数若しくは三分の二以上の人口の破壊に手を貸し、
殺人幇助
(ほうじょ)とも言うべき罪を犯してきた
にも関らずです!
 米国のマッカーシズムや日本のそれが何時、現実的に危険思想を戒める以上に、
イデオロギーによる殺人やあらゆる反体制的な破壊を推奨し、教唆しましたか?
 それをしたのはマルクス・レーニン主義者であり、それを支援した人々のみです!
 マッカーシズムが最大の悪のように書き立て、中傷したのは左翼勢力なのです。

 動物は争いますが、生きる為の餌を取る個々の種の天敵があるのみで種族保存の為に、
大量殺戮は決して行いません。
 殺戮の為の殺戮を喜ぶには最大の天敵である人間が多すぎるのです。
 それとも天敵が居ない人類の人口増抑制の手段として、
左翼は目的達成の妨害になり、邪魔になる反対者を抹殺することを企てているのでしょうか?
 東欧からの自由化、民主化がソ連国内や共和国(バルト三国)、ギリシャ、
中国の地下活動にも波及している反面、西側の自由主義国に反体制の動きが起こり、
サッチャー首相などの名宰相を引き摺り下ろすマスコミや野党に煽られた国民の誤った世論が、
安定した英国経済を再び覆そうとしているのは、
こういった左翼の"生命への畏敬"なき暗躍でしょう。

 机上の空論と権力欲に取り憑かれた彼等に取っては、太陽も自然の恵みも、
ましてや中国の民主化のリーダーである柴玲さんと封従総氏の夫妻が逃避行三百日の後、
無事に西側に脱出し、香港のテレビインタビューで
「民主化の犠牲者のことを思い、自由への道は非常に困難で(現在の中共では)遠いが、
その実現の為に努力する。民主化万歳。自由万歳 … 今はこれしか言えない」
と語った万感こもごものその思い、夫妻の固い絆、
そして無残にも殺され続けた数多の共産政権の犠牲者への人間愛 ー
それを理解することなど、到底出来ないでしょう。
 神が不在である国と人に取っては、権威への野望しか人生の目的がないのです。
 しかもサタンと同質の極限の悪心しか有していない人々です。

                  (九十年四月七日 口述筆記 千乃裕子)

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法