「JI」86年6月号 「ノイローゼ克服への助言」 ラファエル様
今月は、ノイローゼ状態とそれを抜け出す方法について助言したく、
私がお話しすることにしました。
正法者を志し、正法を学ぶような人からのSOSは、
精神病院からか、或いは精神科の治療を現に受けている人からしか届きませんが、
稀に普通の生活をしつつ悩む人からの相談があります。
正法を一身に擲(なげう)って行っているような人は、良心と社会の矛盾に悩むことなどなく、
苦労の日々にも精神的に充実しており、ノイローゼになる人は居りません。
只、過労や栄養不良状態から知らずに性格が歪み、短気であったり、トゲトゲしくなったり、
木村忠孝医師が書かれたような病的な性格に成ってしまう人も居ります。
知らずに仕事以外にも、完全主義を生活面や対人関係に貫こうとする人はそうなり易いので、
人生に於ても緩急を使い分け、息を抜く必要があると自分に言い聞かせて、
他に寛容の心を持つことを忘れないで下さい。
こういった方法しか、内面のみに関心を向け、蟻地獄に陥るのを防ぐ手段はないと言えましょう。
だから正法に生き甲斐を見出せず、愛情の表現の術(すべ)も知らず
(愛し、愛される対象を得ることが出来ない)しかも生涯を賭けて専念する仕事も得られない人は、
ノイローゼに生きるしか方法がなくなり、人の重荷となるのです。
自立心に欠けた、成長半ばの人格であり、
社会人としては一人前でないと前回にお話しした通りです。
今ノイローゼではない人も、心してそういった精神的な落とし穴に陥らないよう注意して下さい。
自分の責任や義務は回避して、他人に任せないように。
段々甘えが増え、弱い人間になってしまいます。
といっても人の好意を何時も撥ね付けるような柔軟性のない性格も、
何時かポッキリ折れてしまいます。
協調的に、人間愛に基づく思い遣りを持ち、しかも互いに互いの責任を果たすこと ー
それが今更言うまでもなく、社会人としても正法者としても、自立した人格となる条件なのですね。
自分に厳しくするには弱すぎる性格の持主は、愛を得ることから始めるべきです。
(八十六年五月二十五日 口述筆記 千乃裕子)