「JI」87年8月号 「既成宗教に安住する国々にとって受け入れ難い天の真実」 ガブリエル様
 五月号で『天の奇蹟』下巻が間近く完成、発刊となるだろうと書きましたが、
七月号で漸(ようや)くその運びとなりました。
 しかしその遅れに相応しく、内容、本の装丁共に上・中巻以上のものとなり、
私達は大変満足しております。
 更に引き続き、下巻の内容について、補足説明をしたいと思います。
 "イエス様の生涯が悲劇に彩られ、サタンと天王と天使達の闘いの狭間にあって、
悲運の死を遂げられた"真実を、この巻に総て証し、語りましたが、
それは天に残された者の決断と勇気を必要としました。

 この国に於ては、六世紀に渡来の仏教のみならず、
道教、儒教の影響も受け、対立しつつ発達し、
古代から近世にかけて、日本民族の精神基盤となった神道が、
本来の教義、教典というものを持たず、
多神を承認する故に、如何なる宗教も許容し得るので、
いい加減なものも、伝統的なものも、受け入れる土壌があります。

 その日本でさえ、キリスト教と天との繋がりの歴史を証するのは
並々ならぬ決意と覚悟が必要でしたが、
正しいものを納得し得る理由と説明があれば、
正しいとして受け入れる公正な心を持つこの国の人達、
特に正法者や本誌の賛同者に接し、心から安堵しました。

 しかしながら、キリスト教を国教と定めた四世紀のローマ以来、
迫害の時期を経て西欧諸国の文化と精神史に深く関わっており、
唯一神と選民意識をユダヤ教から継承する、排他性の強いこの宗教が勢力を持つ国 ー
米国などでは、漸くイエス様が神の受肉者ではなく人の子であるという概念が、
聖骸布の研究と実証により、受け入れ易くなったという程度です。

 あれ程の長いユダヤ教やキリスト教史を持つ中東諸国も西欧諸国も、
天国というものの実体さえ諸説あり、はっきりした定義を持たない状態ですから、
その上に、教会史を通じて漸く定着させた、天国イコール絶対神、
イエス・キリストは人類の罪を贖う救世主、並びに聖霊の満てる所という三位一体、
三大支柱となる教義の概念が崩れることは、キリスト教信者のみならず、
キリスト教文明の精神基盤をさえ覆
(くつがえ)す事になり、
到底受け入れ難いものであろうと思います。

 例証として最近、『天の奇蹟』上、中巻を纏め、翻訳を依頼した
元牧師(米国人)が悩んだ末に、協力を断り、自分の経歴と立場から
他の人に紹介するのも一寸(ちょっと)憚れるということがありました。
 "事実は小説より奇なり"という諺がありますが、
天のこの実体、この真実については、国外での正法流布の面で、
既成宗教に安住する国の人々にはかなりの難関であろうと思われます。

 他方、国内では相も変わらずに悪霊の霊言に左右される人が多く、
神道の国日本のマイナス面でもあるでしょう。
 宗教らしきもの、道を説くものは、何でも無差別に受け入れる体質があって、
大川隆法の一連の霊言集に加えて高橋信次の霊言などを
実(まこと)しやかに纏め、出版してみたり、
ランティー田池などと名乗って、エル・ランティの本体などと思い込み、
悪霊の霊言を仲介している奇怪な人物も関西に居ります。
 人集めをして、しかも"千乃裕子と名乗る霊"に色々馬鹿げたことを語らせ、
それをジェイアイ出版社に送り付けてくるそうです。
 千乃様はまだ生きて働いておられるのに、何を考えて霊体であるなどと信じ込むのでしょうか。
 或いは生き霊として語っているものと思い込むのでしょうか?
 この際にはっきりお教えしておきますが、
生きている人の意志が離れた所に霊の如くに形を取って現れ、
人に色々語るなどという現象はあり得ないのです。
 単に思いや念波として届くのみで、
生き霊といったものは三次元であれ、四次元であれ、存在してはおりません。
語るとすれば死霊の霊現象のみです。

 如何に非科学的な人が多く、又、そういった人ほど狂信的な性質があって、
簡単に神懸かってしまうという証明にもなります。

 そういった人々が誤った宗教集団を作り、世の混乱を益々深めているのです。
 勿論この人達及びその支持者は消滅宣告を受けております。
 本人の住所が判れば直ぐ出版社に知らせて下さい。憑依霊をまず消滅します。
 斟酌する気持ちは毛頭ありません。
                (八十七年七月十日 口述筆記 千乃裕子)

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法