「希望と愛と光」82年7月号 「正法を学び、見出した真の道を本当に歩いてきたのですか?」
              ラグエル様
(「天上界メッセージ集(84年7月初版)」224頁掲載)

 実は、今月はあなた方に、お聞きしたい事があります。それは、次のような事です。
 一、天上界に於ける正しさとは、何だったでしょうか。
 二、何故あなた達は、私達の下に集まって来たのですか。
 三、天上界の真意は、どこにありましたか。
 この三つの質問に対して、淀みなく躊躇することなく正しい解答が出せた人は、
真理を求めている人達です。
 しかし、だからといって天上界が喜ぶと思われたのなら、大間違いです。
 正しく答えを出したからと言って、実行が伴っているとは、決して言えません。
 あなたの日々の生活を振り返ってみなさい。
 何と甘えた、自己保存の多いことでしょうか。
 何時までも他を頼り、自らは優柔不断であるにも関らず、
一端の正法者ぶっているだけではありませんか。
 天に唾(つばき)している者と、何ら変わりません。
 何故、あなた方は進歩しないのでしょうか。
 何故、あなたを取り巻いている環境を、他人事と捉えておられるのか、

私には理解出来ない反応です。

 先日も、ナイロビで森林保護の為の会議が開催され、
決議されたというニュースがありました。
 幾ら○○宣言、△△運動と、美々しく叫ぼうとも、掛け声ばかりでは何にもならないのです。
 あなた方一人一人が、参加し、実行するものでなくては。
 自分の日常生活を、よく考えてみなさい。
 
 あなた一人が一日生きてゆく為に、どれだけ多くの犠牲と、資源が消耗されるかを。
 正法、正法と知識ばかりを追いかける人間には、到底解り得ないでしょう。
 己が存在そのものが、原因となっている現状であることを。
 何と厳しいと思われるでしょうが、
何時まで経っても幼児的な精神でいる人々に合わせて、
私達はこれまでのようには、待ってはおられません。

 天の正しき法灯は、もうあと僅かの月日を残すだけとなった今は、
どしどし苦言と叱責を与えたいと思います。

 何の為でしょうか。
 あなた方は、自分の子孫に一体何を残すつもりですか。
 金銭ですか?土地ですか?家ですか?
 そんなものは、苦労せずに得たとて、泡(あぶく)銭となり、
なまじ資産を残した故に、骨肉の争いをするだけです。
 何故ならば、自己中心的な若者達なのですから、親の苦労など眼中にはないでしょう。
 現代(いま)は、そういう若者が大半を占めているのです。
 自分の家族には関係ないと言い切れますか。
 似たり寄ったりの問題を抱えて、青息吐息ではありませんか。
 この世的なものに価値があるとするならば、
それ故に我が身を欲と執着の絡まった糸で、自らが縛られ、

身動きが出来なくなってゆくのです。

 私達の再三の警告にも耳を傾けず、相変わらず偽我を多く抱え、
正法を学べど魂どころか、心さえ軽くならず、何を以て己を高しとするのか。

 このような人々は、
さしずめイタチごっこをしている自分の姿にも気付いていないのでしょう。
 哀れな人達です。
 この世の俗的なものに、何ら価値はありません。
 又、あなた方に望むものは、美しい天の波動に合う魂であり、

悪と戦う強い意志を持つことです。
 この世の俗的な価値基準など、通用しないのです。
 すべてに於て、真理を追及するに於て、

汝自身を追及せぬという事は、理に合わないでしょう。
 自分自身を知らずして正法を学んだとて、それは何の役にも立ちはしません。
 あなたが悟り、あなたが正法を日々の生活の中に活用せずして、何が真理ですか。

 私達の意とする所を、落ち着いて、よく考えてご覧なさい。
                 (八十二年五月十九日 口述筆記 谷田三枝)

〖備考
 正法に生きてきた(と思う)者なら、ラグエル様の問いへの答えとなる、
既に天上界から与えられてきた真理が理解されていることを証せることでしょう。
 参考に一例を挙げてみました。
 問一の天上界の正しさについて。
 天上界の許さない悪とは、美しい心を、
そこから生まれる愛、優しさを信じ、求める心を守ろうとする神に、
憎悪しか抱かぬ悪なる心が、その捻じ曲がった心を喜びで満たさんが為に、
神を愛し、信じる者を不幸に陥れようとする、その邪心とその業を神は決して許しません。
 天上界の正しさは、神の御心に適うその美しい心を守る為に、如何なる困難にも屈しない、
天を信じ、神の心に生きる如何なる者に対しても愛と救いを貫かれる信義です。

 問二の私達が天の下に集った理由について。
 言うまでもなく、真の天上界の呼び掛けを聞いたからです。
 また、そのような呼び掛けを知る内なる善霊が喜びを齎したからでもあります。
 そのような呼び掛けを聞かずとも、神の心に生きている人達に比べれば、
天の呼び掛けを聞くまでは、神の心も、思いも顧みることのなかった者に取っては、
天の恩寵以外の何ものでもないでしょう。
 この呼び掛けに応えようとしない、また悪霊に唆されたにしろ天に踵を返すような者は、
主が仰しゃった「生まれて来ない方がその者にとって幸せだった」と言われた、
救いから見捨てられて在り続けるしかないのです。

 集った者達は、真の幸福を得たのであり、その幸福を人々に齎す、
その為に自分が役立てると信じることが出来たからです。
 天上界の教えをまだ何も理解していないような人々が集ってきたのは、
天の思いに応えられることを幸せに感じた人々に他ならないのです。
 そして、天の多くの犠牲の下に、天の伝えるべき教えが伝えられた今、
ユートピアが出来るまで天の法灯を消してはならないと伝えられた今、
一人一人が天への道を歩むとは、この世に神の国を作るという、
天上界の一大計画に協力するということです。

 問三の天上界の真意はどこにあったかについて。
天上界の聖霊と同じ心を持つこと、その心に立って、真理に従う善我に生きないのなら、
如何に真理を、天の教えを、天の御心を知っていようと、何にもならない。
 自らの魂を滅びから救えずして、何の真理であるかと天上界は仰しゃいます。
 生きとし生けるものを苦しめる、如何なる悪からも守る為に戦うこと、
人は自己保身の為に戦うことから逃げてはならない、
自分の為なら人の犠牲を顧みないような者には人間の尊厳は与えられません。
 天上界は人類の隣人への愛に賭けているのだと仰しゃいました。
 神々が人間の霊であることを告げたのは、
天も地上も一つになって、この世を神の国とせねば、天も地も滅びるということ。
 神を崇めていれば平和でいられるのではないのです。
 神は人であり、私達も神の心を持つことが出来る、持たねばならないのです。
 神の心を以て、天と一つとならねば、
悪魔に、悪魔に心を委ねた者達をねじ伏せることは出来ないのです。

 人はこの世に生きている内に神の心を理解し、養わねば、
死後そのような心を持ち得ないこと。
 そしてこの世に生きる人にしかこの世に神の国を作ることは出来ない為に、
この世を救うことが人類のみならず、天をも救うことである、
その為にすべての天の善霊がこの世に働き掛けてきたのです。
 真に人類を、死後に永遠に生きる霊を、真の幸福に与ることを願われました。
 その為に為してこられたのが天の救いの導きです。〗

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法