「 JI 」81年10月号 「奇跡について」 ミカエル大王様
(「天上界メッセージ集(84年7月初版)」142頁掲載)

 奇跡についてお話ししましょう。
 例えば、超能力のある者がおり、病を癒し、物品を移動させ、
数々の不思議な現象を見せるとしましょう。
 あなたはその者についてどう思いますか。神のような人だと感嘆しますか。
 又、非常によく当たる予言をする者がいたとしましょう。
 あなたはその者に従いますか。これぞ神の奇跡だと感じますか。

 もしあなたがそう思うなら自分に問い返してみなさい。
 病が癒えたなら、
それまでの自分の苦しみや悩みが無くなったか、
物品移動を見て過剰な欲求が解消されたか、
予言が当って予言を聞くのと聞かぬのでは違いがあったか。

 今は判らずとも数箇月、数年先には、真に道を求める者は気付くでしょう。
 否、と。
 それでは神の奇跡とは言えません。
 神の奇跡とは救いを含みます。
 救いとは迷わなくなること、諸問題の解答を自己で見付け得ることを意味します。

 愛と正義と信義の確立です。
 そして汚濁と混迷の中にあり迫害と敵視の中で義を通す者、

愛を貫く者のことを神の奇跡というのです。

 たとえ山を動かす超能力があろうと、人を救えなければ何になるでしょう。
 山は何時か自然に崩れてゆくのです。
 人一人救うのは超能力でも何でもない、愛と義なのです。
 たとえ山を動かした者として史上に残ろうと、
後世にはせいぜい幻のような夢を残す程度ですが、
神の義を通した者はイエス・キリストのように、人々に指針を与え続けるのです。

 あの方は地上に於て、病を癒した聖霊の力で人々に救いを与えたことにではなく、
生命を賭けた流布活動に真価があったのです。
 その勇気を起こさしめたものが、奇跡と呼ばれる神の光です。

                  (八十一年九月七日 口述筆記 土田展子)

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法