「希望と愛と光」81年3月号 詩「ファンタジア」 ラファエル様
(「天上界メッセージ集(84年7月初版)」195頁掲載)

城に降りつもる雪を
私は窓から眺める。
雲は定かならず空はほのあかい。
雪ぞりの音遠く聞こえ、
新しき年を告げる。
しかし心は暗い、暗い。
希望はこの世にはない。
夢も愛もこの世にはない。

突然に風のたち起りて
粉雪の乱舞。
舞い舞う美しさに私は魅せられて窓を去りやらず。
その粉雪の中に背高く、黄金の髪の美しき人現れ、
けだかく微笑む。
あゝ、あれは母君、わが母君。
"お母様!"

けだかく美しき幻の人は
悲しげに私をみつめ、
私を抱(いだ)かんとて近づけり。
しかしその腕(かいな)は冷たく、愛しの母君は突如消えうせぬ。
後はただ粉雪の降り注ぐ世界に
私はぼう然と立ちいたり。
窓ぎわにぼう然と立ちいたり。

"ジェラルド、お前、病気になるぞ。
火も入れぬ冷たい部屋でいつまでも何をしている"
隣室のドアがまばゆい明かりと共に、
客の笑い声と共に開き、
兄ピエールが半身をのぞかせた。
私の兄、彼は私の神だ。
愛と光の神。
その暖かいほほえみが私を現実に引き戻し、
生命(いのち)の重味(おもみ)を伝える。
母のけだかく悲しき幻は夢に姿を消した。
私は母の信じていた教会と牧師と
人々の隠された偽りを信じない。
神は兄の愛のみを通して語りかけ、
私を死霊(しりょう)から遠ざけてきた。
神はついに母を救い得なかったのか ー

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法