「慈悲と愛」80年11月号 「使命感について」 ガブリエル様
(「天上界メッセージ集(84年7月初版)」123頁掲載)

 人類の生存について、或いは既成の思想、宗教、道徳について、
何らかの危機感を抱いて生きている人は多いでしょう。
 あからさまに危機だから改心せよと宣告する宗教教祖も多いでしょうし、
あなた方の中にもじっとしておれぬ思いの人もおりましょう。

 ですが、まだまだあなた方のように恵まれた環境の中に於て、危機を語るのを見ると、
井の中の蛙大海を知らず、と呟(つぶや)かざるを得ません。
 さあ、人類の危機だ、私が何とかしなければ、と立ち上がる教祖、それに続く信者を見ると、
平凡な生活の中で変った刺戟を求めて集まった、
実際の救済とは縁もゆかりもない現実逃避の人間達だと思います。
 実際に危機が訪れようとしているのは事実ですが、
天変地異が起こり、人間の獣性のみが蔓延るような本物の終末が訪れた時、
まず最初にいなくなるのは、信者の上にあぐらをかいている諸教祖でしょう。

 あなた方の中に、使命感を抱いている人が恐らく沢山いるでしょう。
 ですが、その使命感が天から来たか、それとも自己の現実に対する逃避か、
見分けることが大切です。
 それによって、悪霊に操られ、結果的に天に反する言動に走ることも防げるからです。

 まず終末が来そうだ、人々は怯(おび)え、互いに疑い合っている。
 その時あなたはどうするか。
 人々の前に立ち、指導者の如く振舞おうと思いますか。
 自分の先行きのことより、家族や友人、知人はどうしているだろうか、
彼等は大丈夫だろうか、と咄嗟
(とっさ)に考えますか。

 正しい使命感の芽生えは愛が始まりを告げます。
 前者の如き人は諸教祖の二番煎じであるに過ぎず、後者が天から来る使命感なのです。
 天の使命というのはとても地道で、現実に即応したものであり、
決して夢の如きぼんやりしたものではないのです。そして誰もが持つべきものなのです。
 世を変えてゆくのは一人の偉大な万能のメシヤではなく、
「こうしたい」と望む一人一人の全人類なのです。

                             (口述筆記 土田展子)

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法