「慈悲と愛」80年5月号 「時事問題(前編)」 ウリエル様
(「天上界メッセージ集(84年7月初版)」103頁掲載)

 これは前号にも関連してくることですが、
協調や調和とは自己保存のルールに従って行う、としか考えていない社会からとかく煙たがられ、
イランとIOCオリンピック委員会並びにソ連のアフガニスタン侵攻の三悪に囲まれて
(日本は左傾マスコミと野党連合の二悪ですが)、苦衷を嘗(な)める米国も、
弱肉強食の国際社会から煙たがられて権利無視、発言無視、条約無視の
憂き目に遭っているようです。

 それは八〇年代の始まりに多くの世界の文化人や識者が予見したように、
今まさに〝悪の論理″が通用しようとしており、
世界の無法化が即末法の様相として現実のものとなってきているからでしょう。

 昨年までは諸国政府が国内での学生運動、過激派テロ、
デモやストライキの対策に頭を悩ましてきたのですが、
今や世界の焦点となった中東諸国、特に無法国イランの対外強硬政策と
ソ連の野望露わに蛮声高らかな拡張主義の犠牲となったアフガニスタンが、
それらの内紛をも忘れさせる事態を展開しつつあるようです。

 興味あることに、"弱者の論理"そのものであるイランの米国への対応と
"強者であり悪の論理"そのものであるソ連の米国への反応が、
一つの同じ言葉を繰り返すことです。
 曰く、"米国帝国主義を跪(ひざまず)かせよ"或いは、
"悪いには我々ではなく、米国だ。米国が我々に危害を加え、圧力を掛け、
根も葉もない中傷、デマを流し、内政干渉、反イラン、反ソ活動を煽動するのだ"

 しかし事件の経過を見るにつれて明らかとなってきたのは、
ソ連はあくまで必要を欠く支配、権力欲に動かされた"力の論理"を実行に移しているのに対し、
イランのそれは徹底した"復讐の論理"であることです。
 彼等の革命は貧困階級が、より豊かな衣食住の確保の為に遂行したものではなく、
元国王に対する"目には目、歯には歯"の復讐心で世界を巻き添えにしようとしているのです。

 イランのホメイニ及び大使館占拠学生の主張は、
イスラム圏であり、イスラム革命政府であるから譲歩するのであって、
宗教と政治が切り離されている他国の統治国では、到底聞き入れられるものではありません。

 インド、スペイン、イタリアや南米とは異なり、
イスラム圏は貧困層の救済システムが僧侶の生活保障と共に経済機構に組み込まれていて、
商人は収入の十分の一を必ず僧侶に喜捨、その一部が貧困層を潤している所なのです。

 他国と違い、貧民は餓死するという事がない。
 だから奇異な印象を与えるが、貧民を代表する大学生が多いという事実が存在するのです。
 そしてまた、この層に無知、文盲が多いという理由は、僧侶と同じく、
彼等はある程度は働かずとも生活していける社会に住んでおり、
学問をして才能や技術を磨かずとも生きていける国に住んでいるからです。

 いわば"怠け者の身勝手な理屈"であり、復讐に全エネルギーと時間を掛けるのは、
他に生死を賭して達成すべき目標がない。健全な目標を持たない。
 ホメイニが音楽を禁じ、情操のすべて、人間の優しさを培う物を国民から取り上げて、
好戦的な意欲以外に不満や欲望のはけ口を持たせず、昇華させる方法をなくし、
国民の全エネルギーと関心を反米感情にのみ振り向けた。

 そこに、国際法や国交の入り込む余地はなく、
世界の良識と極端に食い違う彼等の"身勝手な理屈"の温床があるのです
※1)。
 この温床は狂信者、禁欲主義者、共産・社会主義革命家に共通して培われるもので、
一貫して情緒欠如型の病的精神構造を生み出すものなのです。

 即ち宗教に関する知識のみで教養なき過激派の一介の僧侶ホメイニを、
イマム(救世主)と呼ぶイラン国民は、技術導入により彼等の国の産業、工業化を推進、
一般生活様式の向上と合理化を計り、向学心を与えようとした(※2
進歩的文化人・知識人である元国王パーレビ氏を、イスラムの宗教儀式は好むが、
努力や精進は好まぬ怠け者の大合唱で追放したのです(※3)。
 低賃金の手工業は単純作業の連続であり、向上を望まぬ彼等の寧ろ好む作業でもあったのです
(例外は勿論あるでしょう)。

 しかも元国王は近代化は計ったが、イスラム教改革を計ったわけでもなく、
僧職や貧民の食の道を断とうとはしなかった人道的な王であったのです。
 不満分子や左翼分子の不穏な活動を秘密警察の手により、
阻止しようとした事は一国の王として当然でしょう。(続く。)
                           (八十年四月十日)
※1注。
 全く同様に反日感情の前に、国際法を無視、約束(信義)を踏み躙り、
憎悪の念に魂を染め上げたのが今日の韓国民であり、悪魔に魂を支配されたのか、
自ら奉げたのかイラン国民同様、偽我に馴染み易い民族性なのでしょう。)

※2注。
 そのような善意を理解出来ないのでしょう。
 日本の善意を台湾では受け止められ、韓国では憎悪に変わりました。)

※3注。
 伊藤博文〖吉田松陰(ミカエル様の分身マルチン・ルターの本体)の下で学び、
桂小五郎(ブッタ様の分身空華道人の本体)に従事〗
を暗殺したテロリストを英雄として称えているのが韓国です。
 「(人殺しの)バラバを赦せ、イエスを十字架につけよ」
 と言ったユダヤ人の同類でしょう。)

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法