「慈悲と愛」80年3月号 「国防に無責任且つ無節操な政府を作った原因」 ミカエル大王様
(「天上界メッセージ集(84年7月初版)」93頁掲載)

 日本は昨年から今年にかけて明らかとなった他国の国内外の情勢の
動揺、激変に驚いている間に、一月半ば過ぎて突如暴露された、
「日本の生きる道は対ソ戦略降伏だ」と言う元自衛隊高官を主犯とする防衛庁スパイ事件で
冬眠から叩き起され、俄かに活気付いたようです。

 自由民主国家であるとはいえ、
日頃詭弁を弄して巧みな或いは過激なイデオロジストやマスコミにより抑圧されていた
政治、思想面に対する不満が一挙に噴出したとでも言いましょうか。

 国会は相も変わらず虎視眈々と、強迫的に且つ居丈高に政府の失言を狙う野党と、
それを上手くかわす政府与党の慎重な答弁で、
国民の声の介入する所は余り無いように見受けられます。
 しかし、何より喜ばしいのは、自民、民社党を支持する人々の多くが表明する所によれば、
教育界をも含めて、あれ程の破壊工作、洗脳に日時を費やしたイデオロギー政党や
左傾の著しいマスコミにも関らず、世論が総じて欺かれ、歪められた方向に走るのではなく、
文化国家、高度文明社会に住む国民として何が正義であり、道義であり、
次元の高い善悪の概念であるかの根本的に正しい判断を失ってはいないということが、
この危機感溢れる現在はっきりしたことです。

 "民族解放""平和共闘""非武装中立"というような、
この国の実情に即さぬプロパガンダに付和雷同して町人国に成り下がり、
大日本帝国の帝国主義的社会体制と日本国の自由民主主義体制との見分けも付かず、
小心な女子や、幼児のそれと同じく無闇に諸事のマイナス面ばかりを恐れる。

 プラスに用いれば建設的且つ健全な思想でもある、
例えば"愛国心""国を愛する心"を、軍事国家の芽生えと混同して、
超強大国にならその質を問わず、自国を防衛する事を放棄して無条件に降伏しようとする
男子が多数を占めるのでは誠に情けない。
 民族意識もなく、他国の顔色ばかり見ている国民であり、鳴かず、飛ばずの政府のみを承認する
祖国意識に欠ける大方の野党が牛耳る議会制民主主義国家
であっては、
"立憲亡国"、"植民地的半国家"、"恥も外聞もない国"と評されても返す言葉がないでしょう。

 偏(ひとえ)に左翼並びに左傾イデオロジスト及びマスコミ(新聞、テレビ、刊行物)により
破壊工作が政府与党にまで及び、ままならぬ国である日本は、
機密保護法の制定にも無関心であると元防衛局長をして嘆かしめ、
日本の最北端、日ソの国境に当る稚内に変事が起きた際に、
出動するのはずっと南の名寄市の一個連隊であり、
当地の軍事専門家をして次のように言わしめるのです。

 「今の日本人の風潮では駄目でしょう。
 市民達が自動車で一度逃げ始めると、主要道路は南下する車で埋まる。
 それを蹴散らして北上出来るでしょうか。」
 或いは自衛隊の一連隊長をして言わしめるのです。
 「それより先に、現今の制度では自衛隊の能力発揮の場がない。
 いざ戦え、と出動しても、道路信号が赤なら止まらなければならない。
 トラックで勝手に弾薬を運ぶのも禁止されている。
 私有地に陣地を構築する場合には所有者の許可がいる。
 一番問題なのは戦闘死傷者に保証規定がない。
 ですから現在の自衛隊は戦力たり得るか、ということです。
 有事に対する制度なし。力を養い得ても発揮出来ぬ。現実的に戦力ゼロに等しい。」

 このような現状に於て天上界は、
この国の政治、政策に関する限り、その存亡に関して無責任且つ無節操なのは、
そのように非のみを論
(あげつら)い、
無方針、無策の政府を作り上げてしまった亡国論者的野党と、
野党支持の国民であると言わねばなりません。
 或いは付和雷同した政治に無関心な人々であるのです。

 平和も自由もその価値の為にそれを阻む悪と戦い、勝ち取らねばならないものです。
 元GLAの幹部であった法輪出版社社長の堀田和成氏が、
悪霊に惑わされてモーゼシリーズを書いておりますが、その中に曰く、
「善に偏り過ぎず、悪にも染まらず中道を生きよと神は仰せられる(※1)」。

※1注。
 この悪霊による法を歪めんとする詭弁に対する、
天上界により証言された中道についての真の意味は、
現象テープ№32「物の見方について」でラファエル様によって明らかにされております。)

 これは"目には目""歯には歯"の十戒の法律からかけ離れた解釈であり、
モーセ様によって伝えられた天の意は、
軍神ヤハウェの下に統率された戦士として聖戦を行うという理念を持ち、
天に敵するものから安住の地(イスラエルの自由と平和と繁栄の為に)
を戦い取ることにあった
ということを知らないからです。
 如何に巧みにモーセ物語を著したとしても、
天の意も正しく汲み取れず、表現も出来ない人物が"モーセの本体"を名乗っても(※2)、
天は"世を惑わす偽物"としての保障しか与えられないのです。

※2注。
 天上界高次元の方が転生されるのは、正法を齎す為、実践する為であるのに、
自己顕示から有名人のやりたがる自伝を書くようなことを天上界の方がなさると考える、
しかもそれを自分が高次元の本体であると証明することになると考える、
神を証しているつもりで、己を証しているに過ぎない者です。)

 且つイスラム教徒の"聖戦"の概念も誤った解釈であることにも、言及しておきましょう。
 "聖戦"とは神の守護の下に戦う
ー それだけの意味しかありません。
 攻略も防衛も神の命ずるままに最善を尽くして戦うのです。

 しかし旧約の時代の聖戦は大変野蛮な、
現在の人道的解釈と相容れぬものであることは明らかです。
 それには理由があり、天国シリーズで解明されます。

 また目には目、歯には歯を、というのは、決して字義通りに解釈すべきものではなく、
奴隷として卑屈な生き方を強いられてきたイスラエルの民に自己を守る強さを教え、
心理的に奴隷であることからの解放を目指したものなのです。聖戦もその延長でした。

 日本の国民も同じであり、正法者も例外ではありません。
 善人が悪に屈従し、賢者が愚者に跪(ひざまず)き、正義が暴力に屈することのないよう、
自由と平和と国を守る為に、立ち上がり、勇気を持って侵略者と戦い、
排さなければならないのです。

 その為に、何をなすべきか、何を語るべきか、
国民の一人一人がこの期に及んではっきりと自覚し、行動に移さねばならないでしょう。

                               (八〇年二月七日)

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法