「慈悲と愛」79年10月号 「人間の冷酷さ」 ラファエル様
(「天上界メッセージ集(84年7月初版)」70頁掲載)

我等天に住めるは皆、
 千葉の二頭の子トラの
 悲運に悲しみを味わうものなり。

この末法を証するかの如く、
 社会主義国家の犠牲となりし
 インドシナ難民の 世界による非人道的処置と
 時を同じくして、
 日本国は国家の権限をかざして
 動物虐待、生存無視の方針を 打ち出したり。
ドバトを狩猟鳥とし、
 その生態を知らずして、数多きが故に
 羚羊(かもしか)を狩猟解禁とし、
 保護区さえも監視者を置かぬに等しく
 密猟者の餌食となす
 動物殺戮の方針を打ち出したり。

それに和する文化人、知識層、
 自らの生活の権利のみを主張する
 心なき国民の非情さよ。
彼等は自らの妄想と
 ヒステリー的集団心理に
 踊らされるを知らぬなり。

ああ古(いにしえ)のこの国は、
 一輪の花、一匹の動物、一羽の鳥の生命をも
 愛しく思う優しき民であった。
健康な心の民であった。
一茶や良寛などの優しき僧を慕う、
 心穏かな人々であった。

いつの時からサタンの黒き手に導かれて、
 この国の人々は、
 自らを"至高の種"と称え、
 地上の生あるもの、草木や花、鳥達、
 小動物から大型の動物、
 人間以外の生きとし生けるものを
 踏みにじり、殺害し、
 原始の時代にも曾て見られぬ、
 傲慢の徒と成り果てた。
彼等に平和は無く、彼等は只、力を誇り、
 強者として君臨する支配者の権限と、
 心の荒廃をしか示さぬ。

心のみか、自然の法に照らしても
 人間以外の種の絶滅、天敵の減少は、
 やがては公害の反復と人類の滅亡となり、
 目に美しく、心安らぐ自然と、
 悪と謀(たばか)りを知らぬ幼な子の如き
 動物界の触れ合いを失うことは、
 力を誇る人間間の争闘の引き金となり、
 世界の滅亡となるであろう。

猛獣を飼育する側の責任を
 問う気持ちがエスカレートして、
 闇に迷い出た哀れな子トラに
 野生の猛獣とて人を襲わぬ
 その性質を知らず、
 忠告を聞けども聞かず、
 人口の密集せる都市ではなく、
 原始林と見紛う深き山々にトラを追い、
 数を頼みてトラ狩りに秘かに心躍らせ、
 横たわりし若き哀れな生命に
 "万歳"を唱え、無事を喜び合う。
千葉県鹿野山の人々はその愚かさと
 非情とエゴイズムにおいて、
 悪魔の心しか持たぬ。
平和を愛し、自然を愛し、
 事の理を弁えし、
 優しき心の人々と
 純真な子供達の訴えを
 斥けて引き金を引く警官とハンターに
 幾分の理ありや?
"動物に心なし。
 人間は極悪非道な者でも  
 その生命は千金の重みあり"と断ずる
 この国の法と国家とは何者ぞや。
彼等は"心"とは何か
 果して知る者なりや。

ああ我等天は失望せり。
日本国という地獄の魂に失望せり。
 戦いなき平和な日々において
 彼等の非情で己を神にする慢心は、
 全体主義であろうと
 自由主義であろうと、
 変らぬ劣性の国民性を呈するものなり。
即ち病的心理構造と感情的選択が
 この国の法を定めるものなり。

彼等は"神"がどのような心を
 持つものか
 知る者であろうか。

我等神と呼ばれし天なるものは、
 一人として彼等と質を同じくするものは 
 無きを知らぬなり。

彼等は天と縁なき衆生であるを
 知らぬなり。

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法