現象テープ№12 「善我の目覚めから自我の目覚めへ」
 78年10月1日 ブッタ様現象(霊媒 土田展子)
 私はブッタでございます。本日は正法を学ばれる皆様に、善我について、
そして自分の心についてお話しようと思います。
 どうしてこの生物の中で人間だけが悩み、苦しまなければならないのでしょうか。
 野の鳥や猫、犬、自然界の動植物達は何の苦しみも持っていず、素直に生きているようです。
 何故人間だけがこのように苦しみ、喘(あえ)ぎ、
汚くこの世を生きて行かねばならないのでしょうか。
 それは動物が考える力を与えられなかった代りに、
自然の法則に沿って生きて行くという本能があるからです。
 人間はその進化の過程で考える力を得た代りに、
中庸や八正道という宇宙の法則に沿ってゆくという、
この宇宙に生きるものとしての本能を失ってしまったからです。

 ですが、その中にもやはり人間として、この宇宙の生物として生きてゆく以上は、
宇宙の法則に合う心を持つ、即ち自分の我(が)というものがあります。
 宇宙の法則に沿い、平和に、調和的に生きてゆく心を善我と申します。
 正法や宗教、その他のあらゆる思想を学ばれた方の中には、
善我の目覚めを迎えた方も多いでしょうが、
善我の目覚めだけでは、ユートピアは作ることは出来ません。
 善我の目覚めと同時に、自我の目覚めをも迎えねばならないのです。

 そして、善我や自我の目覚めを促すことは、
同時に「汝自身を知れ」という偉大な言葉を自分で体験してみることにもなるのです。

 善我の目覚めとはどのようなものか。
 それはこの世の何が悪であり、何が善であるのかを厳しく見分ける心を持ち、正法を学び、
それを実践してゆこうとする平和的で調和を目指す心の目覚め
なのです。

 自我の目覚めとは何か。
 それは若き頃から少し教養や知恵のある人間ならば誰もが経験するように、
自分はこの世に生まれてきて何をすべきなのかと思い悩み、
その果てに自分はこの社会でこうして行くべきである、
このように生きてゆくべきであると目覚めることなのです。
 私の言う知性や教養とは、学歴に由来するものではなく、
その人の良心から起こってくる魂の呼び掛けをいいます。
 必ずしも学歴の高い人が立派な人であるとは言えないのもその為です。
 正法を学び、善我の目覚めを迎え、そして八正道を実践し、中道を実践してゆく過程に依り、
正しい自我の目覚めを得ることが出来るのです。

 そして人は自分が何たるかという「汝自身を知れ」という言葉の通りになるのです。
 自分を知るということは、自分が何をすべきかということを悟ることでもあるのです。
 そして正法を学んだその美しい心で自我の目覚めを迎えたならば、
世の中に対してすべきことを悟り、そして平和の為に活躍してゆく心が生まれてくるでしょう。
 過去何千年の歴史に於ても、天上界よりの光の使者が、そのように人間と合体し、
善我の目覚めを迎えさせ、そして善の霊の導きにより正しく自我の目覚めを迎え、
人類の平和の進歩に役立ってきました。
 しかし、その反面でも悪霊による自我の目覚めというのもあり、

それが人類を破壊と戦争の道へと導いてきたのです。

 そして自我の、正しい自我の目覚めを迎えるに当り、大切なことは八正道を実践し、
正しく生活しようと心掛ける余り、自分に厳しくなり過ぎてしまい、
八正道や中道といったものに執着してしまうことなのです。
 自分は正法をしており、八正道を守り、中道を守ってゆかなければならないということが、
ふとした拍子で八正道を踏み外し、中道を超えてしまった場合に、

自分は何という事をしてしまったかと、自責の念に駆られて、
反省して軽く流してしまえば良いものを、
愚かなことをしてしまったと何時迄も悔み、執着を生み出すのです。
 このように正法をしながらも執着を生み出すことが数あるのです。

 曾てラファエル大天使が、ある方に申されましたが、
「良いことをして美しい天国に迎えられようとする心が、それ自体執着を作る元にもなる」

というものです。
 この言葉は本当に私達が声を大きくしてあなた方に言いたいことでもあるのです。

 八正道や中道は言葉では語り尽くせぬ、奥の深いものです。
 それはどのようにして悟るかといえば、最早長年の実践に依る外はないと思われます。
 そして長年の実践に依るということも、只年月を重ねたのではなく、
真剣に取り組んでこその年月だということです。
 又、正法をしているからといって、油断してはなりません。
 自分は正法をしているのだから安心だ、という心自体が、もう心の隙(すき)を作って、
悪霊の憑依を促すものになるのです。
 このように正法は偉大なる悟りの道をも開いていると同時に、
恐ろしく怖い悪霊への導きの道をも開いているのです。

 このことをよく心しておいて下さい。一歩間違えば恐ろしいことになるのです。
 それはあなた方の周囲にあったようないろいろな例からも顕著なことであるでしょう。

 これからは私達は最後の審判を進めてゆき、正しい者と悪なる者とに分け、
それを処分してゆくでしょう。
 その時にあなた方が誰一人として悪霊の道に誘い込まれ、私達と別れることがないように、
心から願っています。

 もはや現在は、イエス様や私やモーセ様のいた時のような、
人類が地球がまだ美しかった時とは違い、最早人々の心も変り果て、
美しいものが廃れ、醜く汚い堕落した、退廃的なものが好まれるという風潮になってまいりました。
 私達は最早待っていられませんでした。
 このことは「天国の証」にも何度も述べておりますから、
何故私達がこのような手段を選ばねばならなかったということを、
心に強く置いて、正法を実践していってほしいと思います。

 明日の美しい地球を作るのはあなた方のような正法を学ぶ人達であるのです。
 如何なるイデオロギーや主義に依ると雖(いえど)も、
これからは善の心や中庸の心を持たぬ者は、
そして大の虫を生かすには小の虫をも殺しても構わぬというような心の持ち主は、
除外されてゆくでしょう。
 又、そうしなければ地球の明日はもう開かれないのです。

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法