第三部 「天の奇蹟(天上界への質問と解答)」
「天の奇蹟・中巻(82年9月初版)」 第四章 アブラハムの旅立ち
 章末・天上界への質問と解答
質問者:著者 岩間文彌先生  解答者:ミカエル大王様

問一 アブラハムについてお尋ね致します。彼が実在した人物であることを、
 これまで述べた種々の理由から確信致します。その人物像を考証し得る限りで描くと、
 「セム系アラム人の一支流から出た半遊牧民の族長にして王、平和な牧者、隊商の長、
 略奪者に対する勇敢な戦士、一生の漂泊者であって労多き寄留者、
 真実の神に目覚めた覚者にして霊能ある者、出発の人、信仰の父にして賢者、
 エル・ビルナビル・カンタルーネ様孫分身にして古代エジプトの宗教指導者アモンの本体」
 となります。これに加えることがありますか。
  アブラハムの人物について、公表可能な事実について、お知らせ願えれば幸いです。
  出来ればアブラハムの天上界の位置・役割、妻サラ、子イサク等についても。
問一解答 古代の人であったが故に、神にも人にも信義厚く、礼節を知り高潔な士でした。
  その信仰に於てはイエス様と並ぶ、天の父に一身を投げ出して悔いない、
 選ばれた一族の長に相応しい人でした。
  マホメットが幽体離脱して天上界(天国)を私に導かれ巡った時、
 アブラハムに会い、その位置する界、如来界に来るべきことを示唆しました。
  その時自分に酷似していたと言っておりますが、
 実際はアブラハムがマホメットに似姿を見せたのです。
  サラは菩薩界、イサクは同じく菩薩界に位置する者です。

問二 アブラハムの直接の故郷については、南メソポタミアのウル説もありますが、
 ハランを中心とするアラム平原説を採用し、出発の時期については、
 中期青銅器時代に当たる前千八百年~千七百年前後としました。
  出発の動機は、ハンムラピ王によるマリ破壊、アッシリア王シャムシ・アダトによる侵略、
 マリのジムリ・リム王によるハラシ占有などの政治的変動、
 人口や家畜が増えることによる遊牧民の部族分け、巨視的には、
 大規模なユーラシア大陸の気象変動が齎したアーリア人の大移動やアムル人の大移動、
 更にフルリ人の大移動を挙げました。
  そして個人的要素として、アブラハムの内面における真実の神への目覚めと内心の希求と決意、
 それに神の促しを動機に挙げました。
  最終的には以上の多くの要素が重なり合って、
 アブラハムを新天地へ向け発(た)たせたと解釈しました。
  以上につき何かご意見や加えることがございますか。
問二解答 ありません。
  私達天上界も民族の父たるべき人格のアブラハムに最良の物を与えるよう計画し、
 その如く勧めたのです。

問三 ヘブロンの近くマムレの大木の所で、三人の天使がアブラハムに顕われ、
 妻サラに翌年子が生まれることを告げた(創世記第十八章)とありますが、
 これは実際のことであったのでしょうか。
  前出「天使の辞典」のラファエル大天使の項に、アブラハムの所を訪れた三人の大天使は、
 ミカエル・ガブリエル・ラファエルのそれぞれの大天使であった
 という言い伝えを記しておりますが。
問三解答 そう聖書記者は伝承に基づき書いておりますが、
  実は私、ラファエル、ウリエルでした。実際にあったことです。

問四 アブラハムの愛し子イサク献供の際の奇蹟は、カナンで行われていた幼児犠牲を、
 イスラエルの民に諫める目的で聖書記入者が入れた挿話であるにしても、
 原型となるものはあった筈だと結論付けました。宜しいでしょうか。
  事実であれば、この事件に関する天上界の意図や(前)大天使方の働きについて
 お知らせ下さい。
問四解答 美化してありますが、事実です。
  これはサタン・ダビデの試みで、エル・ランティ様がお救いになりました。
  幼児犠牲を普及させたのはダビデの仕業です。

問五 カナンの土地についてお尋ねします。
  この地には死海大断層が縦貫し、塩分の異常に濃い死海、それに乾燥した荒野もあります。
  千乃様は曾て、「地域的にも地表上の磁場と言われる所、或いはイスラエルの死海周辺など、
 塩分の非常に高い所に住む人々は他に比べて(霊能が)一際優れ、
 或いは他を圧するものですが、これも物理的に考えれば至極当たり前で … 」と書かれました。
  この地に、アブラハム、モーセ、イエス様を初め多数の預言者、霊能者が生じたのは、
 このような物理的な特殊な場であったことが大きな条件の一つであったと思います。
  更にこの点について述べることがおありですか。
  地震国日本もまた、天照大神、聖徳太子、最澄、空海…千乃様と霊能者を輩出しておりますが。
  更に以上のイスラエルの地理的条件は、天の奇蹟を起こし易い条件だと思いますが。
問五解答 その通りです。
  死海がある上に地中海も深層水が比較的高温で、塩分濃度も大西洋より大部分の水域が高く、
 且つ地中海火山帯という地中海の 2/3 を占める火山帯もあります。
  火山・地震国である日本と比較すると、地磁気の強度は大阪以降に似ておりますが、
 地質、水質、生物界に含まれる塩分濃度は、
 貴方の解説にもありましたあの辺り一帯の気象条件から局地的に異常に高く、
 日本の比ではありません。
  地質や水質に関しては地中海沿岸諸国もかなり類似しております。
  
  塩分濃度が高いということは、電気伝導率が高いということに注目して下さい。
  又、イスラエル周辺はアフリカ中部以南、赤道環電流が西向きに流れている地域に近く、
 それが気流の方向によって北上する可能性も多いのです。

  赤道に近く、太平洋側にミンダナオ海溝が横たわるフィリピン群島のルソン島などでは、
 今も心霊手術がいとも容易く行われており、日本では可能でないことです。
  このようにこの両地域に比べれば、日本は奇蹟現出の難しい所で、ユリ・ゲラーや、
 最近マイトレーヤー如来の覚者と称する悪霊仲介の英国人霊能者が行なっているように、
 テレビ局などの電流を使う位しか中々良い方法はないでしょう。

問六 神エール(エル及びイル)についてお尋ね致します。
  何ゆえベー・エルデ星で尊ばれ、天上界高次元の方々の名に付けられている「エル」が、
 セム語系でのみ、中でもカナン語(ウガリット語、ヘブル語を含む)
 及び現在のアラビア語で、神または神名として使われたのでしょうか。
  そして当時、天上界高次元の方は、アブラハム以下の族長に、
 直接、「エル」と名乗ったろうと推定したことは正しいのでしょうか。
問六解答 私達はずっとあの地域周辺とエジプトの上空を支配していたからです。
  ベー・エルデより宇宙船で飛来、初めて降り立った縁(ゆかり)の地でもあるからです。
  勿論世界に活動を広げておりましたが ー 。貴方の推定は正しいです。

問七 ソドムとゴモラの災禍についてお尋ねします。
  これは悪徳と不信仰の住民に対する神の怒りではなく、
 大地震に誘発された死海沿岸のアスファルト噴火の類であると結論付けましたが、
 宜しいでしょうか。
  もしこれがアブラハムの時代に起こったとしたら、アブラハムもそれを知り得たことになり、
 時代を異にするなら、聖書記者がこの話をアブラハム物語に、
 恰も同時代の出来事として挿入したことになります。
  どちらが真相なのでしょうか。
  アブラハムの甥とされるロトは実在の人物でしょうか。
  警告に現れた二人の天使の件は事実ですか。それとも聖書記者の想像なのでしょうか。
問七解答 その通りです。ロトはアブラハムの甥です。
  ソドムに住んだ物語は、聖書記者の捏造ではありませんが、
 古代に於て伝承の際にアブラハムの一族がその辺りに住んだ事と
 後世のソドム・ゴモラの災害を結び付けたのです。

問八 ヤコブは実在の人物であろうとしましたが、どうでしょうか。
  実在なら天上界に於てどのような人物なのでしょうか。
  尚ヤコブの十二子及びイスラエルの十二支族については、
 出エジプト後カナンに侵入したイスラエル連合の諸部族名の反映であり、
 数も必ずしも丁度十二ではなかったであろうと指摘しました。宜しいでしょうか。
問八解答 実在です。天上界では菩薩界。ヤコブとエサウの物語も一部捏造です。
  十支族が正しい数です。

問九 ヤコブが見た梯子の夢は、実際あった事でしょうか。実際なら何を意味したのですか。
  単にベテルが聖所であったことを示す為作られたとする解釈もありますが。
問九解答 これもジグラットの伝説とヤコブの旅を想像した古代人の創作が
 事実を覆い隠しています。ドラマチックですが。

問十 ヤコブがヤボクの渡しで天の使いと角力をとったというのは事実でしょうか。
  そうでなく黄金の山に係わる聖所伝説の一つに過ぎない
 (角力の相手は川の精など)のでしょうか。
  ヤコブが神の角力により股のつがいが外れた、というのは作り話のようですが。
  又この奇蹟が真実なら、神と人が角力をとるとは何を意味するのでしょう。
  これは前大天使パヌエル様と関係のある事件でしょうか。
問十解答 ヤボクの渡しに関しても聖所の伝説やヤコブの旅に興味を添える為に、
 天の梯子の夢や他の物語を組み合わせるなど語り伝えた者が意味付けを行ったものです。
  古代の人間も現代も神格化する点では同じ心理的傾向を有し、
 その不正確度は悪霊が現代人に託宣を与え、
 好きな形で意義付けを行った新興宗教の逸話の数々と大差はないのです。
 
 (注。
  GLAによるミカエル佳子神話作りは、古代人も呆れたことでしょう。)

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