第七章 天使の詩集 ー 七大天使

(四) ラファエル大天使

 追  想
時は満ち
大いなる霊は総て立ち、人の子もそれに従え。
イエス・キリストの預言せし神の国の到来は間近く、
釈迦の説きし仏国土ユートピアの建設も近し。
エルデンの園の復活は約束されたり。

古代フェニキア人は黄金を夢見て帆を張り、
ギリシャの国の、果てなくどこまでも青き空と海は、
あのエーゲの輝きをそのまま伝えん。
唐の都はいまも目の前に浮かび、
      東西文化でわきかえる様が、
李白を、胡弓弾く胡姫を思い出(いだ)させる。
かつて自由と若さで彷彿としたアメリカは、
ピューリタンに始まるバイタリティと、
明日を夢見るフロンティア精神で、
      歴史のページを開きたり。
フランス革命は平等意識に火を点し、
人間の尊厳を認め、ナポレオンは馬上で指揮を執る。
明治維新の雄達を覚えているか。
あのパワフルな動乱の人間像を、数々の悲劇を。
血の滲む過去の、悲劇に綾取られし栄光の偉業を。
その精神を忘るるな。
求められて来しはいつも、
      そなたらの幸せであり、自由なりしを。
かくの如く若き人々よ。
先達のごとく自由であれ、
      そは放縦を求めるものではなく、
柔和であれ、そは弱さの結果ではなく、
賢明であれ、しかも心は貧しく保つべし。
求める心は与える心ともなり、
愛する心はそのまま愛される心とならん。
若枝よ伸びよ、天まで届け。
手を伸ばせば星々に触れ、
      太陽を手中にすることも可能ならん。
立ち止らずそのまま頭を真直(ますぐ)に上げ、
希望に胸膨らませ、一歩一歩踏締めて行け。
道は限りなく宇宙にまで伸び、地平にまで伸び、
地なる母のもとに、
      天なる父のもとに、繋がりてあらん。

 ミカエル大王賛歌
 ー 栄光のしるしは七色に輝く ー
遥かかなた古(いにしえ)の時より
いつしか太陽となりし七色の光の君よ、
その頭より放たれる七つの光は
      そのまま自然に溶けこみ、
諸々の生けるものへの糧となる。

君の瞳は七つの海と五つの陸を見詰め、そは人類の愛。
その腕(かいな)には幼児(おさなご)が抱(いだ)かれ、
      片手に平和の剣(つるぎ)を握りしめ、
銀色の翼は正義に輝く。
黄金の髪かかる白き額には愛が刻まれ、唇より出ずる言の葉は翼広げし鷹の如く力強く、
生けるものを勇気付け慰める。
栄光は君と共に在り。

足元には花を撒き、月桂樹を掲げん。
君は永遠であり無限なるもの。
君の一歩こそ我らの目覚めであり、出発なり。
それゆえにミカエルよ太陽の子、万能なるミカエルよ。
我等を祝福したまえ。
      その七色の光をこの身に浴びせたまえ。

 若き人々に励ましの言葉
小さく弱き妹よ、弟よ。
おまえは
覚束無き足取りではあるが、
霧に包まれた明日を知っているだろう。
まだ真実を見ぬ青き目だが、
光のある方向を知っている。

一歩踏み出せば、失意が口を開けて待っているかも知れない。
手を伸ばせば、それは絶望であるかも知れない。
何もかもが辛苦の日々であるかも知れない。
それでもおまえは涙を流すな。
花の種を播く自分の足元だけを見て、
いつでも太陽の方を向き、天へと伸びている道を見失わず歩け。
日かげの草は伸びずに枯れ、
日なたの草こそが実をつけ、次の季節があることを
忘れずにおきなさい。

おまえがそうした苦難に負けず、
信じているものが正しいのなら、
足元の花が咲き、霧が晴れたとき、
敢然と自ら大地に立つことが出来るのだ。

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法