第五章 天国 ー 空高き善霊の住処 モーセの章
 私は、凡そ三千二百年程前、六十数万の捕囚の民であったユダヤ民族を、エジプトより救い出し、
四十年をかけてイスラエルに連れ帰り、その途上十戒を天より与えられ、
律法として人々に伝えました。
 現在では、十戒はほとんど通用せず、私の伝えたかった真意も、塵と埃にまみれて、
ほとんど知る人はいないでしょう。
 今ここで、十戒を引っ張り出してきても、意味がありませんので、と言うよりは、
イエス様も同じことを仰しゃっていられますので、私は天上界の構造について、説明しましょう。
 天上界は、雲だけの所ではありません。
 段階に応じて風景が変わり、その美しさも変わります。

 まず、一番下の幽界
 第四次元で、地上一万メートルの所にあります。
 ここは天上界の入口です。
 天上界の門の鍵は、ペテロ(現大天使ペテロエル)が持っています。
 この入口(幽門と呼ばれます)の前で、死んだ人々は自分の想念帯に記録された、
その人の一生で思ったこと、為したこと、良いことも悪いこともすべて、
守護霊、指導霊、及び迎えに出た魂の親類達の前で告白されます。
 大抵の人はここで嫌になり、一度は地上へ逃げ帰ろうと考えるようです。
 そして、幽界に入ると、修行をやり直す必要のある人は、
段階を問わず、修行をし、大天使方や菩薩界以上の方々のお話を聞き、
反省をして地上で為した過ちを正し、真の悟りを得て、それぞれの段階に帰ります。
 その後も、その場所で、また、魂を磨きその成長を図ります。

 幽界の風景は殺伐としており、地上と同じような家々、店、ビルの廃墟、
山、谷などがありますが、全体が灰色がかって、寒々としております。
 池があり、蓮の花も咲いており、修行をする人は一箇所に集まり、禅定を致しますが、
住んでいる人は俗世と同じ意識で、忙しく走り廻り、落ち着きも無く、
地獄と意識がスレスレです。
 
詰り、自分中心で、他人に迷惑は掛けないが、他人のことはどうでもよい。
 損をすれば、執念深くそれに拘ります。
 意識は霊になると九十%働くことが出来ますが、
九十%用いられて、このような状態ですから、善我である部分は少ないのです。

 二十%程の善に対する悟りしかありません。 後は、全部偽我なのです。
 それでも、地獄に居る人々は、偽我九十%ですから、少し悟ると幽界に上がれるわけです。
 魚の腐った臭い、どぶの臭いなどがしています。
 四次元以高の世界は、人の意識が作る世界ですから、こうなるのです。
 天上界の幽界だけの人口で十億人、地上に人間として十五億人生まれています。
 世界の人口約四十億の内、幽界出身が天上界と地上を合わせて二十五億程ですから、
如何に多いかお解りでしょう。
 そうして、肉体を持つと、大脳の意識の十%しか用いませんから、
十%で善我と偽我を兼ね合わせ、犯罪を犯し易い人間になるのです。
 
 その上は、五次元の霊界です。
 地上二万メートルの所にあり、幽界よりましですが眺める程の景色はありません。
 ここは地上で芸能人、水商売、新興宗教の生神様など、
表面だけで人を惹き付け、人格的には深みのない人、
けれども、派手好きで、目立つことを好み、美しいもの、
美しいものといっても、手に触れて見ることの出来るものを愛し、
人々から騒がれることが好きな人々が来ます。
 それに相応しく、綺麗で、派手な家、車、豪華な衣装、劇場、映画館などがあり()、
そこで出演して、お互いに観客になり合っています。

注。
 宇宙空間に近付くと大気圏の空気は希薄になり、無風でしょうから、
建物や自然を模した物を造ること出来るのでしょうか。
 三億年以上の遥か昔にすでに重力切替装置?を発明し、
数光年先まで宇宙空間を支配された彼等(ベー・エルデ星人)の
現在の科学力は見当もつきませんが、
霊体の治療も天上で行われているとエル・ランティ様は「証」で仰しゃっておられますし、
いろんなことが天上で為されているのでしょう。)

 善良な人々が多いのも特徴です。
 天上界には五億人おり、約十二億人地上に現在生まれています。
 幽界は地上でスターのファンであったような人、霊界にはスターが来るのです。

 その上は、六次元の神界です。
 地上四万メートルの所にあります。
 神界はずば抜けて特定の才能を持った人達、大芸術家、大科学者などや、
他にも、武士として立派な働きをした人々や騎士など又、
宗教家として立派であった人達、イエス様の使徒達、神道で名を知られている人々や、
ブッタ様の十大弟子に学んだ弟子達などが来られる所です。
 静かな所で、中々綺麗な自然の風景があり、山や川や花、丘や草原も見られます。
 研究所、スポーツ、剣道、フェンシング道場や画廊などがあります。
 そこで毎日、自分達の才能を伸ばすために励んでいますが、
食事、住居や身なりには無関心です。
 この人達の弱点は、才能があるので、その才能に溺れて、
人格を磨くことを疎かにする人もあります。
 八正道で説かれている教えを悟り切れない人も半数はいます。

 この次元の人達のほとんどは、十一億五千万人が人間に生まれており、
天上界には一億人しかいません。
 イエス様の弟子達(ユダは未だ無間地獄にいます)、ブッタ様の弟子達、
日本武尊ほか神道に関係ある人々など、現在ほとんど人間に生まれています。
 昔の有名な人でも、ヒポクラテスやアリストテレス()などは天上界に残っております。

注。
 エル・ランティ様をはじめ高次元の方々の合体された偉大な科学者が
神界におられるということです。
 霊界より上の階というのは、天国に行きたいといった欲望を持つ者の行く所ではなく、
天の認める、天に迎えるに相応しい方が行く所なのでしょう。)

 七次元が菩薩界です。
 地上六万メートルの所にあります。○○菩薩、○○観音達がいる世界です。
 自分よりも他人を優先し、働きます。
 しかし、身を飾ることだけは、欲として持っています。 
 ですから昔の絵巻物や仏像も、美しく着飾っているのは菩薩界の人々です。
 この世界から、風景は非常に美しくなります。
 緑の芝生が緩やかにスロープを描いている所や、花々が咲き乱れ、あちこちに虹の懸橋があり、
人々は笑い、微笑み合って、散歩をしたり、休んだり、働いたりしています。
 集まって如来界の人や大天使達の説話を聴いたり、また用事で走り廻っていることもあります。
 世話好きの人達です。
 葡萄園、果樹園などもあり、葡萄酒、紅茶など飲物もあります。
 但し、伝説上のネクター(神酒)が生命の水であるというのはあくまで伝説であり、
神話なのです。
 永遠の生命、不滅の魂に関して、そういうものが残されたのでしょう。
 ここは動物(犬、猫、小鳥、リス、鹿など、人に愛される動物達)の楽園で、
地上で哀れであったものも皆、ここに上げられ、動物の守護天使に管理され、世話されています。
 猛獣や古代の大形の爬虫類などは幽界でも人々とは隔たった所に集められ、管理されています。

 天上界の人口は五万人で、地上には現在一億人程生まれております。

 その上が八次元の如来界です。
 八万メートルと十万メートルに亘る領域があります。
 如来というのは、自他の区別がありません。
 個人個人は独立した魂ですが、自分の為に働くということは、他人の為に働く、
他人の為に働くということは、自分の為である

自他一如という意識を持っています。
 現世的な欲望は何一つ持っておりません。如来像などでも質素な身なりをしていますね。
 その代わり、三世(過去世、現世、来世)を見通す力を持っています。
 人の心も余す所なく見抜くのです。


 釈迦如来と言われるブッタ様も、イエス様もここから出て、使命を果たされて帰られた時は、
九次元に上がられました。
 神道の天照大神様は神界から出て、ここ如来界に上がられたのです。
 この世界の風景は素晴らしいものです。
 小川が流れ、青く透き通る湖があり、その湖は"安らぎの泉"と呼ばれています。
 白樺の林や、緑深き森、月桂樹、エニシダや、榎などが茂っているかと思えば、
遥か彼方まで続き、四季の草花が咲き乱れている草原、蝶が飛び、小鳥の囀り、
木々は豊かに実や花を付けて、その光景はエルデン(エデン)の園の復元図のようです。
 しょうぶ、あやめ、蓮の花なども咲き、人々は自然の美しさや動く雲を眺めながら、
思索に耽ったり、禅定をしたりしています。
 他にスミレや百合の咲く谷もあり(ここに聖母マリヤ様が住んでいられます)、
スズランが風に揺れている所もあります。
 可愛らしい花の精達が戯れているのを見るのは、心が和みます。
 ○○の精と言うような精達も如来界にしかいません。
 人の為に働く人達の世界だから、そのように働く色々な精達がいるのです。
 天上界の人口は一万人で、地上に一万人生まれています。

 その上、太陽界は天使達から高次元の世界です。
 地上十万メートルから十三万メートルの間で、一万五千メートル位ずつ上下に分かれ、
(天使界の)上位はミカエル大天使長及びガブリエル、ラグエル、パヌエル、ラファエル、
ウリエル、サリエルの七大天使達(モーセ様の語られた一年後の1978年7月より、
これまでの功績から大天使の方々全員が、九次元及び宇宙界へと昇格されております)、

(天使界の)下位はその下に働く天使達がおります。
 天使は常に謙虚で、人前に出ることをしません。
 正法の助言者、助力者の立場を離れません。
 天使はすべてのことを知っており、その上であのように清い姿なのです。
 天使になるには、如来界に昇った後、諸天善神になる者もいれば、天使になる者もいるのです。
 以前は神界と菩薩界の間、即ち神界の上の段階から出ていましたが、
如来界から出るということに定まりました。
 魂の修行をどの次元の者もさせられますが、天使の修行が一番厳しく、
特に人間に生まれ変わった時は、九次元の光の大指導霊よりも厳しい人生を

送らねばならぬ者もいます。
 その中で悟りを得て、正法の助力者としての賢明な人格を持ち、陰の力になるのです。

 美しい姿だからと憧れる方達は、この天使達の為すべき勤めや修行を知れば、
安易に天使になりたいとは思われないでしょう。
 翼は、天使が悪霊達と戦う主要な戦闘力なので、必要であり、通信、伝達の為にもあるのです。
 この世界は雲以外何もありません。天使は休むことを知らないからです。

 現在、天上界と地上界の両方で活躍している天使達は、
大天使長他五大天使及びその下の天使達が百五十四名おり、人間として生まれているのが、
サリエル大天使と、ウリエルに分霊された天使ルリエルと九十一名の普通の天使達です。

 イギリス、フランス、イタリア、スイスに各二名、アメリカに三名の他は、
一大天使共に全部日本に生まれています。
 イエス様の十二使徒、ブッタ様の十大弟子、他多くの弟子達、ブッタ様の分身なども
日本に生まれています。
 その他、多く上段界の方が日本に生まれているのです。
 六十三名の天使の、天上界での働く場所は、大天使の下に二十人で、如来界との連絡を司り、
如来界と菩薩界の間に三十人、菩薩界と神界との間に五人、神界と霊界との間に五人、
霊界と幽界の間に三人と、天使ルシエルと言われる、
以前にルシファーと呼ばれるサタンとの合体霊になってしまった者が、
元の天使の位置に戻り、働いております。
 合体した時はサタンでなく、人間として生まれたルシファーは古代ギリシャに於て、
三千五百年前に悪霊の為、地獄に落ちたのです。
 サリエル大天使と合体して生まれた著者を何度も襲いましたが、
その人によって自己の罪の反省を促され、慈悲と愛の心を説かれ、
改心してルシエルと共に一九七七年四月十三日に、三千五百年ぶりに天上界に帰りました。
 ルシエルがミカエル大天使長の愛弟子であった者ですから、
ミカエルを始め、天上界は心から喜び、歓迎の宴を催しました。

 日本にある地獄も、人間に合体していたサリエルとルリエルの協力で、
高橋信次様(エル・ランティ様の本体)が天上界に、一九七六年六月二十五日に帰られて後、
そこに執着していた霊達、及び他国の地獄霊も合せて、十億程上げられ、
無間地獄、天狗界を除いては、空になってしまいました。
 三月から五月末迄の事です。
 そしてルシエルが、その地獄霊の指導と監督に当っているのです。
 今では、天上界すべての者がルシエルを信頼しております。立派な天使の務めを果したのです。

〖エル・ランティ様御自身と、高橋信次様の魂が天上界では別であるように、ルシファーは、
人間 ー サタン ー 天上界に戻った霊、ルシエルは天使の霊、と別々です。
 合体したり離れたりだけでなく、悪霊のみとされていた変幻自在の能力も、善霊には、
それを上回る能力が与えられております。 モーセ〗

 諸天善神は、世界中で十名程で、天使達も助力する時があります。
 その役目は、常に地獄霊、浮遊霊、地縛霊、死者の霊を天上界に上げる仕事をしたり、
地獄へ降りて、説教をしたり、地上に生まれている光の天使達
(如来界、菩薩界より生まれた人達)の保護をもします。
 その下に助力者として働く翼を持った霊(天使ではない)十万人と、
動物霊(悪霊としてではなく、善霊である狐、蛇、猫が少し)が二十万匹います。
 この助力者は高い段階から生まれ、地上で罪を犯し、帰ってきた時、
償いの為と修行の為に志願するのです。
 諸天善神は一定の期間働くと、六大天使の下の天使達になります。

 天使界の上が太陽界に含まれる九次元と宇宙界で地上十三万メートル以上、
宇宙へ無限に広がります。
 今、私が述べている天上界は、地球上にある太陽系霊団と呼ばれる霊団で
宇宙界はその最上の界に当たります。
 大宇宙、大自然を神とする神の世界です。
 その神の心に一番近い方、その神を仲介する光の化身と言われる強力な力を持つ方、
エル・ランティ様がここにおられます。

 ヤハウェ、或いはエホバとして三次元の世界に知られております。
 人間としては、古代ギリシャに、アポロの父ゼウス(本体)、
今世紀、日本に高橋信次(本体)として生まれられました()。

注。
「天国の証」で、エル・ランティ様自ら、高橋氏の本体は、ご自分ではなく ブッタ様であることを
証言なさいました。)

 この方の場合は合体されても、信次様を援けられて、天上と地上の両方を統治されました。
 しかし、天上界の守りが弱まるのを避けて天使の多くは今生は人間に生まれませんでした。
 今はサリエルやルリエルと合体した人達を守る為、
サリエルの所にミカエルや他の五大天使達が結集し、日夜警戒しております。
 九次元の者が生まれる時は、大天使達は人間には出来るだけ生まれず、
三次元、四次元の両方に於て、守りと戦いに備えるのです。
 今、ここには、ブッタ様、イエス様、私モーセがおります。
 これで、私の天上界の紹介を終ります。

〖備考
 モーセ様が、このように語られた数か月後、天界の死闘が始まり、
天上界の、地上の守護霊などのすべての善霊の七割が亡くなったとのことです。
 各界の善霊の数も激減しております。

 この世にあっては、心の美しい人も、醜い人も共に生きざるを得ません。
 悪なる者に苦しめられながら逃れられず耐えねばならなかった人も、
権力や地位のお蔭で、人々を苦しめながらも何ら報復を受けずに、魂を腐敗させ、
己が魂の醜さを思い知ることなく一生を過した者もいるでしょう。

 しかし、私達の行く死後の世界は、己が魂に応じた世界に行くのです。
 幽界(地獄に等しい)に落ちた者は、自分の周りが自分と同じ心の醜い魂だけであり、
初めて自分の魂が如何なるものか思い知ることになるのかも知れません。
 その人が周りの霊に対して、何て心が醜いのかと思うように、
周りのすべての霊がその人の心が醜いものであることを知っているのです。
 この世にあって、愛や優しさを踏み付けてきた者が、
地獄に、人を憎む、蔑む人ばかりの集まる世界に来れば、
愛を優しさを二度と味わうことのないことを知れば、絶望せざるを得ないのではないでしょうか。
 自分の幸せだけを考えて生きてきた人は、仮令この世では幸せであったとしても、
その幸せを死後も持ち続けることは出来ないでしょう。
 幸せでありたいと望むなら、本当の幸せとはどういうものなのか、
どういう心が真の幸せを知るものであるのか、考えてみるべきではないでしょうか。〗

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法