「JI」90年10月号 「マルクスの挙げたリーダーの条件を満たしていた独裁者達の性格」
          ミカエル大王様

 八月初めに隣国の王政の小国クウェートを不当に侵略し、
しかも歴史上クウェートはイラクの領土であったなどと、
国際法を踏み躙る暴言を繰り返し(注。日本の某隣国のことではない)、
当時双方に居住または滞在中のあらゆる外国人と大使館員を
人質同然の軟禁と軍隊の監視下に置いた、
サダム・フセインのその人もなげな、ゲリラ戦と同様の暴挙に
立腹した米、英国が両国を含む多国籍軍を配備したり、
イラクとクウェートの経済封鎖や艦隊によるペルシア湾封鎖など、中東ペルシア湾岸危機の為に
米ソ首脳会談まで開いて、その解決策に苦慮しているというのに、
サダム・フセインはまるで悪魔の如く、
"正義と公正の為に西側諸国への聖戦を"などと、自己正当化の宣伝声明を発表したり、
"経済封鎖をするならば、人質の食料は保証しない"とか
幼児がその為に餓死寸前だとか、
イランのホメイニも言わなかったような卑劣な脅しを掛けています。

 これは人類史上例を見ない卑劣な方法で、
しかもスターリンやチャウシェスク同様、
反対する閣僚はその場で射殺して口封じをしてしまい、独走する。
 国民は軍隊も含めてフセインに処刑されるのを恐れて、
如何なる非道な圧政も見ざる・聞かざる・言わざるを通し、ただ服従に甘んじ、追随する
(キューバのカストロとて同じこと)。
 そして西側に協力する国、サウジ・アラビアやエジプトの政府転覆を計るよう呼び掛ける。
 "盗人猛々しい"このフセイン氏は
"中東の蛇"とも"何時裏切るか判らない人物"とも言われて嫌われ、恐れられていますが、
こういった横紙破りの独裁型は社会主義国に共通で、
しかもマルクスがリーダーの条件にしたように、
貧農の出であり、教育はイデオロギーの洗脳以外あまり受けていない。

 共通して情緒に欠け、
前思春期までの子供の残酷さをそのまま持っている性格の人物であるようです。
 こういった情緒欠如型の人間は、自分以外の人間の感情も痛みもまるで判らず、
だから次々と平気で拷問や大量虐殺を行えるのです。

 中国の文化大革命もカンボジアのポル・ポト政権も同じ。
 直接射殺しなくても、収容所で拷問死させるのも餓死させるのも同じ。
 そういった独裁政治は、ベトナム、北朝鮮、アフリカの社会主義政権と、
総てはマルクス・レーニンの非人道性に遡るのです。

 貧農の出であるから、勿論、
裕福な者や、インテリ階級への偏見と嫉妬を自らの活力として生き、
広範囲の学問や教養を身に付けている訳でもなく、先人の精神から学ぼうとする姿勢もなく、
ましてや哲学にも人生にもまるで無関心であること。
 大脳の前頭葉部位の未発達は野望を遂げる以外に用いることのなかった為であり、
良心の麻痺した理性は無感覚となり、
自らを弁護し、口実を駆使して

あらゆる悪行を正当化してしまう雄弁にのみ働かせ、
誇大妄想にも似た大義名分を振り回す人物です。

 サダム・フセインやホメイニの如き人物は、
"神の掟"の第一の戒め"汝殺すなかれ"を平気で破り、人殺しの人生を送るにも関らず、
国民や部下には貧しさと飢えからパンを盗んだだけで手を切り落とす。
 無防備な国を侵攻し、非武装の国民を殺す。
 そのような施政は、神の前に通ずる筈がありません。

 彼等は悪魔の思想に共感し、悪魔に仕えているだけです。
 "聖戦"などと言う資格もありません。
 アラブの国民はこのことだけにでも、真実を悟るべきなのです。
 一国を何の予告もなく、内乱があった訳でもなく、ただ侵攻して、王政を破壊するのと、
それに抵抗して(アフガニスタンのように)侵略者と戦う"聖戦"とは全く質を異にします。
 敵国と交戦して、祖国を敵の侵略から守る為に、
又は侵略された国の国民から(政府から)助力を求められて援軍を派遣するのとは、
まるで理由が異なります。

 そしてまた、目的がそういった崇高なものであれば、
たとえ戦火の合間にでも、兵士は泥土の上の進軍に、道端に咲く一輪の花を踏まずに通ったり、
家族からの手紙に涙したり、小鳥を愛でたり出来る心の余裕と人間性を保ち得るのです。

 アフガニスタンやニカラグア他の自由の戦士達、延いては二つの大戦中の関係国(非共産国) ー
自由諸国の兵士達は真(まこと)にその通りです。

  戦いが人を荒ませ、非人間性にするのではなく、
どのような目的と心で戦いに参加するかが大切なのです。
 "人間性を失うこと"は"人間がけもの以下になること"なのです。

 マルクスとレーニンは、ユダヤ民族以外の民族が総て"けもの以下"に堕落し、
互いに殺し合い、滅し合うことを望んで、あのイデオロギー理論を完成させたのです。

                    (九十年九月十日 口述筆記 千乃裕子)

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