「JI」87年4月号 「老人性痴呆となった者に表面化する
         (精神的障害の原因となった)歪んだ性格特性」 ラファエル様
 今月は二月号読者連絡に千乃裕子様が書かれた事に関連して、
老人性痴呆のあり方について述べてみたいと思います。
 種々学説があって、手や指先或いは足をよく使う人は、所謂アルツハイマー病と言われる、
老化現象の進行が極端に早い老年痴呆の、罹患率が低いと言われます。
 逆に技術畑の人間は老人性痴呆に罹り易い。
 そして症状の特徴としては、もの忘れが酷く、感情の抑制がしにくくなって、
理性や知性の衰えが顕著になります。

 老年になれば身体の機能、特に消化器系の衰えと共に栄養摂取が充分でなくなり、
必然的に内分泌系や他のあらゆる諸器官の衰退が脳動脈の硬化、脳細胞の萎縮、

脳血流の減少 ー そして脳細胞の死滅という結果となって表れます。

 この過程と症状は、
脳の外傷や、脳炎、脳腫瘍、梅毒、アルコールや薬物中毒などの外因性のもの、
特に原因の無い(と言っても内分泌機能の異常や先天的な大脳神経系の異常による)
内因性とされる精神病やノイローゼ、ヒステリー症状にも
共通して精神的な障害が出てくるものですが
(症状が同じというものではなく、進行の速度が早かったり、
ある一つの事だけに留まったりします)、
老人性痴呆は脳細胞の衰えが急激で、年齢の割に痴呆が著しいのです。
 精神病と同じで年齢差が一定せず、こんな人物がと思われるようなケースもよくあります。

 只、外傷や脳の外因性の病気とは別に、老年痴呆も、精神病、ノイローゼ、ヒステリーも含めて、
性格的なものが大きく影響しているようですね。
 先天的、後天的(家庭や社会の環境や血液型によって違った表れもするが)性格が
本人の生活態度に表れて、それが不健康な肉体と精神の影響し合う関係となるようです。

 正法者、即ち天上界と関りを持ち、神と共に歩まねばならない人たちは、
身体が健康でなければ、精神が健全であって、身体症状を補い、
精神が健全でなければ、身体の健康を目指して、精神の安定を計ることが要求されます。
 しかし前者は易しいが後者は困難で、性格上の欠点を直さなければ、
人生観も変わらず、生活の改善もなされず、身体的な健康も保てない
ことになります。

 他方、性格的なもので正法者の躓きとなるものはもうお判りでしょう。
 自己中心的(エゴイズム)で幼児的、他者依存的な未熟な性格、精神状態がそうなのです。
 そういった人達は、自分の生活や関心及び家族の者が世界のすべてであり、
他人については殆ど理解も出来ず、関心の対象にならない ー
只、興味はあるが、外界の動くものか、
良くて精々自分が他人にどう表れているかを計るバロメーターに過ぎない、
詰り幼児か動物の精神状態でしかないのです。

 性格としては大脳の未発達な状態であり、それに伴う種々の欠点、弱点を示しております。
 精神の成長も健全な度合いも偏
(ひとえ)に大脳の発達によること。
 又、それは良き正法者となる基準の物差しであり、研磨の目安、私達の規範であって、
あなた方にお教えしてきたものです。
 精神の成長なしに、良き社会も文明の発展も、世界の繁栄もありません。

 神と人とが共にユートピアを築く為には、幼児や動物のままで他人に依存することなく、
自ら社会人としての義務を弁え、個人の責任を果たさなければなりません。
 他者や周囲への愛の心も暖かい関心も、正しい形で芽生えてはこないのです。
 
そして精神の成長と共にナルシシズムを離れ、正しい形での対人関係が生まれてくるし、
又、健全な生活態度や人生観を持ち得るようになり、不思議だと思われるでしょうが、
老人であれ若年であれ、痴呆やあらゆる精神の病気さえ罹らなくなるのです

(勿論、戦争や歪んだ政治社会は別です)。
                  (八十七年三月十日 口述筆記 千乃裕子)

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法