「JI」83年3月号 「自ら神に等しくならんと努める人格とは」 ラファエル様
(「天上界メッセージ集(84年7月初版)」163頁掲載)

 春の第一の月とされる今月には、自然は愛のプレリュードを奏で、希望に目覚めます。
 自然の魅力や恩恵にも無関心になるほど、
現代人は自分の内部と外部の闘争に引き摺(ず)られて、
その上更に共産主義思想という、中世の暗黒時代を彷彿とさせる残虐な思想が、
かつての暗黒を導いた無知な宗教思想と相俟って、
今人類の住み家を白アリの如く喰い荒らし、
その居住者の身体をガンの如く蝕もうとしております。

 中世にはサタン・ダビデが跳梁し、無教育な人々を意のままに動かしました。
 それは私達天上の証する所であり、事実です。
 そして現代は、互いの闘争で生命を落した後、
共産主義の亡霊が私達の手の廻らぬ領域で一団となり、
ダビデに代って人類の成長を阻もうと躍起になっているのです。

 何故、そのような悪が善との死闘を展開するまでに蔓延るのか、
それも自然の摂理であるかも知れません。
 しかしもしあなた方が真に天に住み、光りの中に喜びを以て神との交流を求めているならば、
神の愛
(め)で得る真の人間とは、純真の心を失わず、正しき主に素直に、
自ら神と等しくならんと努める人格である
と再び助言致しましょう。
 "神と等しくなる"とは何を意味するか考えてみることです。

 身近な例を挙げれば、
最近話題によく上る"アフリカの狩人"と形容される南アフリカの原住民の一種族、
ブッシュマンの生き方であるかも知れません。
 彼等ほど自然の一部としての生活をよく認識し、動物や鳥や植物と共存の立場をよく弁え、
公正で、謙虚で、神に敬虔な者はなく、
その心の美しさは現代の奢り切った文明人から殆ど失われてしまったもの
であり、
彼等の智恵は、なるほど幼いものであるかも知れないが、
その心根は神の国に住むに相応しいもの。
 私達はどうしてもあなた方に求めてしまう姿なのです。
 幼稚で依頼心を強く、という生き方は必要なく、
愚かでエゴイストで人に迷惑を掛けるのはブッシュマンにさえ居りません。
 彼等は無学なりに智恵を用い、精神は決して幼くはないのです。

 あなた方文明人には一体、どのような教えが相応しいのか、私達は時折判らなくなります。
 恐らく神を恐れぬ共産主義思想や、正しさの選択さえ出来ぬほど盲いてしまった宗教思想が、
このように私達の求めるものとはかけ離れた現代人を創り上げたのでしょう。
 悲しいことです。
                      (八十三年二月十五日 口述筆記 千乃裕子)

〖備考
 曾てはブッシュマンのように神を知り、
神の前に在って己の小ささを知る、神の力を知る人類だったもの(種)が、
神と悪魔の導きを共に受け、知恵を得たものの、
その力に自惚れ、自らの力で得たもののと盲信し、
そのような知恵に導いた存在を見失い、罪を知らしめる光を知らぬ心の盲いたままに、
神の与えた愛を理解することなく、
悪魔の高慢を心とし、
光を知らぬままに滅び去ろうとする人類の最後の時に、
真の神が人類を救おうとしてこられた、
その心を自らの心として、
天の聖霊と心を一つにするしか、
人類の救いの道は残されていないことを、
神自ら最後の福音として伝えています。〗

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法