「JI」83年12月号 「精神面の成熟に無知、無関心となった原因」 ミカエル大王様
(「天上界メッセージ集(84年7月初版)」177頁掲載)

 これがクリスマスの月十二月号になるということで、私はイエス様の病の癒しを思い出しました。
 イエス様は千乃様のように執筆の他に、
毎日の出版社の計画のすべてに相談に乗られた訳ではなく、
御自分のお仕事として、伝道と癒しに集中しておられましたから、
かなり多くの病者の癒しも可能でした。

 しかしそれでもイエス様の到着が遅いとか、種々の不満が病人とその家族からよく出たものです。
 金持ちにも自分の益となることしか望まぬ者も多く居り、
過分の寄附をしたから、尽したから、特別扱いをされねばならないという考えの者が居りました。

 この人達の欲する物を得られぬ時は天を恨むという我が儘な思いに接する時、
イエス様ではなく私達天上の者が悲しい思いをしました。

 天上の者が奇蹟を行わしめたからです。
 現代にも人の心は変わらず同様の人々が居ります。
 そのような人々は背反者となりましたが。

 ノイローゼも、自閉症も、そのような症状が現れやすい性格の人も、病人も、
すべて自己中心的な生き方から、他人への迷惑など考え及ばず、
幼児のように人に要求することばかり考えて暮らしているようです。
 このような人々が感謝する時は、要求が通った時、思いを叶えてくれた時のみ。
 その反対の場合は直ぐ不平不満、恨みの心しか表面化してこない。

 これは真の人格がその人に育っていない、若しくは備わっていないのです。
 日本の野党政党の殆ど、世界あらゆる国の左翼の在り方でもあります。

 文明国でありながら、古代の人々のように、
日本人に多く幼児の性格が見られるということは(発展途上国も同様ですが)、
封建時代から民主主義への移行の途中に、
共産主義という個人の道徳や責任を全面否定する思想が広がり、
そこで個人の人格的成長が止まってしまったからでしょう。
 宗教も少なからず蔓延り、ここでは個人の自主性が否定され、依頼心を助長してくれるので、
益々人は精神面の成熟に無知、無関心に留まったのでしょう。

 揺がざる信念がなく、エゴイズムや打算で毎日を過ごしてきた人は、
他への思い遣りや感謝、奉仕や犠牲、忍耐や謙譲、人格の強さや正義の怒り、
を言葉で理解しても、実際にどのように振舞えばそうであるのかを知らず、
自らの思いを通す為には雄弁で礼儀を知った者の如きでありながら、
それが中々叶えられぬ時は、掌を返した如くになる。

 そのようになりたくないと思う人には、再び教えましょう。
 幼児から大人になることは難しくはないのです。
 天の為に何かしなければならぬと思う時、まず人の為に何かをしてみなさい。
 無償の心で人に奉仕をしたり、思い遣りを持って接することで愛を悟り、

耐えるとは何かを知り、打算とエゴの衣を脱ぎ捨てられます。
 智恵を持ち、賢明であれとは、打算に長けよということではないのです。
 その積み重ねで私達の説く法が一つずつ理解され、体得されるでしょう。

             (八十三年十一月十日 口述筆記 千乃裕子)

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法