「希望と愛と光」81年11月号 「強さについて」 ラファエル様
(「天上界メッセージ集(84年7月初版)」210頁掲載)

 強さについてお話ししましょう。
 強い心とは柔軟な心を意味します。
 何か悩みがあった時、解決策を見つけ出せたとします。
 その解決策を実行出来る人は強い人です。
 正法に触れ、それまで悩んでいた問題の解決の糸口を掴み、
自己の欠点を直していこうと思い、社会を良くしようと決意するのは誰でも出来ます。
 ですが実行となると、なかなか出来ません。

 自分の欠点を直すというのは、今まで自分が他人や社会に対して甘え、
責任を持たず身勝手にやってきた行動と心根を直すことです。
 身勝手に行動するのは、その者に取っては楽です。
 自分のことだけを考えればよいからです。
 長所と短所は裏表といいますが、何を基準にするかお解りですか。
 他人との関り、社会との関り、もう一歩進んで他人を生かすように関わっているか、
社会をより良くするように関わっているかが基準なのです。

 自分の身勝手を直すには痛みが伴います。
 身勝手が酷かった人間ほど自分に対して甘いからです。
 そしてまた常に考えねばなりません。無意識の内に行動しているからです。
 しかし、それでも欠点を直そうと努力し続ける者を心が強いといいます。
 強さは粘りを伴うのです。

 何故心強くいられるのでしょう。
 自己の醜い部分に対して努力し続けられる人間は、一つの支えがあるのです。
 人格者になるのが目的ではなく、良き社会の為の一人となるということなのです。
 人格者になりたいという目的は、

金持ちになりたい、美しくなりたいと努力するのと同じです。
 自分の内に籠もるものです。
 それでは幾ら努力しても悟りは小さく、真直ぐに天の方向に伸びることもありません。

 良き社会の一人とは、人を傷付けぬこと、騙さない正直さ、
傷付けられない、騙されない賢明さを備えた人間です。

 何かの為に、と支えがあると人は強くなります。
 あなたが弱いのは自分のことだけに囚われているからです。
 柔軟な心とは、強さの中に他を思う気持ちがあるのです。

                  (八十一年九月二十三日 口述筆記 土田展子)

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法