「慈悲と愛」80年4月号 「イデオロギーの洗脳から自由な国家を守る為に」 ウリエル様
(「天上界メッセージ集(84年7月初版)」97頁掲載)

 ミカエル様の後を受けて、今月は私ウリエルが私自身の角度から
日本の政情について語りたいと思います。
 最近は、メッセージが政治、イデオロギー論に傾いておりますが、
この両者が離し難く混在する世界情勢に鑑(かんが)み、
正法がメスを入れるべき当面の課題であるので已むを得ず、
女性の方には読み辛い所を我慢してお読み下さるようお願いします。
勿論、女性とて現情勢下にあっては政治に無関心であってはならないのです。

 まず皆様に取っても私達に取っても同じく資料となり、
テーマを提供するのは日々接するマスコミであるのは当然ですが、
世の識者は言うに及ばず、ミカエル様も繰り返し指摘されるように、
マスコミの提供する情報は各々の大脳の情報処理室で篩に掛け、
取捨選択して自らの指標としなければ、
到底目安となるべき一貫した正しい理論は与えられていない
というべき観があります。

 さる大学教授が言われるように
「記者はレポーターである。演説を止め、私見を控え、事実を語らせよ。」
という傾向が現れているならば大いに結構と申さねばなりませんが、
まだまだ色ははっきりさせるが、後は擬態といった印象を与えるもののようです。
 毎日系は親ソ派、親左翼的な所が目立ってきました。
 朝日系は共産党綱領にあるように「ソ連こそ我が祖国」
と考えて行動することを隠そうともしていません。
 それは自由思想擁護の人々が、チクチクと皮肉る位では痛痒を感じぬ、
日々に露骨な反米的、反自由社会的且つ現実遊離の〝平和憲法″論の展開なのです。

 なるほどこの点に於て前述のマスコミは一貫した理論を与えていると言えましょう。
 しかし惜しむらくはその理論は誤ったもので正しくありません。

(注。左翼はこのようなユーモアを解しません。
 私達が親しみを感じ、信頼の思いを抱く心とは、天上界の方々の心であり、
彼等自らが(芸術や文学を通して)伝えてこられたものでした。
 天上界の方々がこのような方達であったことは本当に素晴らしい事だと思います。)

 この機関誌上でも多くの論駁が彼等の非を指摘しつつ為されてきました。
 私も同じことを為しましょう。
 正しくないものは、正しくないとあなた方のみならず、世界中の人々に理解して頂く為です。

 親ソ派、親左翼の人々やマスコミに対して、自由を愛するあなた方は何をなすべきか。
 言論統制の国政が如何にも理想であるかの如き甘言と、貧者の救世主的擬態には欺かれず、
インドシナ難民の潔癖とイスラム教徒の頑固さを以て、
あらゆる共産主義思想家、活動家及び、亡国論、反国家論に過ぎない
非武装中立"論者である社会主義者の非をなじり、
その諸活動を阻止しなければならないのです。
 何ゆえか。
 彼等は人心、思想、言論の真の自由を失うことについて無関心で、

彼等の信奉するものこそ、世界制覇の力の源であると信じ、
意識するとせざるとに関らず支配欲、権力欲に駆り立てられているのです。
 何ゆえにか。
 彼等は自由社会に於ては言論を半ば統制された状態に押し込められ、
彼等自身の偏った人心と思想の自由を充分に見出し得ないからです。

 彼等は狭い周囲としか語らわず、
無批判に吸収するものは彼等のイデオロギーに関するものに限定し、
従って切り売りする知識と思想と言葉は単一偏向性を持ち、
彼等はかくして自由世界に住める身であっても
自ずと同志の人心、思想、言論の統制をしてしまうのです。
 自由である真の祖国は異国であり、彼等は常に反体制側に在ることを意識しているのです。
 そういう生き方に慣れ、且つ慣らされている彼等は、
その自由こそ資本主義社会のみにあるのであり、
共産・社会主義体制にもあるとの考えは一切誤りであると言われても真にその非を認めず、
認めたくない彼等は、体制樹立と主権奪回にあらゆる策を練り、智恵を絞るのは、
当然過ぎるほど当然の表れでしょう。

 登山家はなぜ山に登るのか。そこに山があるからだ、というのと同じ単純な発想で、
彼等は自由社会が在るからその放逐に専念するのです。
 それでは何故彼等は既存の社会主義国に住まないか。
 そこに彼等の世界を覇する支配欲が存在し、戦いの勝者となる為の権力闘争と名付けるものが、
現存する所以です。

 如何に理を以てしても説得し得ぬ彼等は、
イラン国民の如く信念に関して狂信、盲信のエネルギーを内在し、
平静を装うとも、抑圧された集団ヒステリー的病的心理が厳存する
のは、
客観的に彼等の動向と論陣を分析してみればはっきると判る筈です。

 即ち理論でも理屈でもなく、感情が彼等の活力及び持続力となっているのです。
 イデオロギーを固持する為の感情的武具と表現するならば、
彼等は脅迫的に完全主義的にその路線に人々を従わせようとする結果、
論戦の生じる所は枝葉末節に拘るものであったり、非現実論を持ち出したり、
相手の持論や論拠を自分達のものであるかの如くすり替えたり、
挙足取りであったり、
実に愚劣で幼稚な論戦にしか発展し得ないものなのです。
 常に二者択一であったり、彼等のものか相手のものか、
基本的には協調点がなく、譲る所もなく、歩み寄りもない。

 アフガニスタン侵攻に関する米ソの話し合いも、すべてその延長であって、
老獪なソ連は過去に於ける帝国主義的膨張政策に関して如何に社会主義体制の実現が不評を買い、
同国人、侵略国の大虐殺・大粛清が白日の下に晒されようと、
自由社会に地の利を与えたことがないように、決して米国に譲ることはないでしょう。

 たとえアフガニスタン撤退が実現したとしても、
必ずその代償として他国が裏面工作により社会主義化されるのです。
 何時になれば下手なゲームの進め方に自由諸国が気付くのか、私ははがゆくてなりません。

 又、現在ほど賢明な識者や学者の諸意見が出尽くしている時もありません。
 彼等は何を必要としているのか。
 彼等は自由と祖国を必要としているのです。
 そこはただ息をするだけで喜びがあり、歌があるからです。
 それにもまして自由の価値とその意義を真に知るものであるからです。

 日本独自の社会主義体制の夢は、国民の反応と非自主性を見る限り、夢の又夢であり、
テレビの左傾チャンネルを通じて放映される嬉々とした社会像や、義理人情劇の数々は、
社会主義体制となった時点で姿を消し、曾て軍国主義であった頃の単調で教育的、
統制的ムードが画面を独占するのです。
 医師も学者も教育者も、現在の自由な生活が保障されると決して誤解してはなりません。
 学問の自由も失われるのです。

 芸術の自由はソ連からの亡命者の語る所を察して余りあるものです。

 自由を愛する人々は左傾活動家(共産、社会の何れも)の甘言や擬態
(彼等自身も気付いていないかも知れない)に決して欺かれてはなりません。

 そして、政府に賭けなければならないのです。政府の弱腰は何に起因するかと言えば、
それはあなた方日本国民が、自民党議員の汚職に対する制裁として共産党議員を増やし、
自民党の議席の過半数を割ってしまったからであることは覚えていられるでしょう。
 多数決による国会の法案通過は民主主義国家に於ける常識です。

 確かに以前の彼等の汚職振りは目を見張るものがありました。
 しかしそれまでの国会は野党(共産党及び社会党)の暴走ぶりにてこずり、
公正などと言うものは見受けられぬ
野党の怒号と引き摺り下ろしに終始したのはあなた方のよく知る所です。
 国民を満足させる討論や話し合いは見受けられぬ無法国会の連続でした。

 しかしこれは左翼の用いるアジテーション(煽動)という策に過ぎず、
政府にのみ完全を強いる野党と、彼等の術策に落ちた全国民の看視の中で、
自民党は自主性を次第に失っていったのです。

 現在共産党を除く野党は連合政権構想を練り、数を頼んで"打倒自民"の方針を打ち出し、
自信に溢れて政府突き崩しに歩を進めています。
 にも関らず政府が譲歩を余儀なくされるのは、数に於て党方針を貫けないからであって、
決して野党の大半のように"平和病"に冒され、
精神的無脊椎症から平和憲法に基づく非武装中立派に転向した訳ではないのです。
 表面に現れているのみで判断するのは正見・正思ではありません。
 必ずその裏に隠されているもの、隠れているものを見通さねばならないのです。

 野党も非武装中立を唱えるのは、自由主義国家に軍備を与えると、
社会主義体制樹立上の妨害になるといった考えに基づくものである
と、
某氏が某国で放言したということが露見しているのです。
 運動以外はすべてに怠け者のセクト学生が、先日〝徴兵制反対″のビラを撒いていました。
 ソ連では出来ないことを。

 あなた方が、国の安全と自由を欲するならば、
現在それを実現してくれるのは自民党しかいないのです。
 良案であれば民主党も新自由クラブも二院クラブも加わってくれるでしょう。
 公明党は社会党寄りであり過ぎ、信用出来ません。

 あなた方日本国民が亡国論者でもなければ敗北主義者でもないならば、
唯一の社会主義による世界制覇に抗し、自由を勝ち取る道は政府自民党の議席を増やすこと、
如何に中傷が野党から流されようとも、
田中角栄元首相その他のような意志の弱い汚職議員の選出は止めて、
誠実で信念ある自民党議員を選出する ー
それが現在の政情下にある国民として唯一の"国を守る"方法であり、手段なのです。

 国民が如何にマスコミや世論に訴えて国会を動かそうとしても、
議会制民主主義制の下に行われる国会は、衆、参両院とも多数決によってしか国是は確立せず、
法案は通過しないことを改めて認識し、理性的に事を処する以外にありません。

 共産党員は現在四十四万人、機関誌『赤旗』読者は三百五十三万人。
 市区町村議員などの地方議員総数は三千五百九十八人で、党として史上最高記録、
自民党に次いで第二党であると報じられており、
この脅威は北海道民を脅かすソ連の軍備増幅強化と共に、
自民、共産間の力のバランスが現実に崩れるまでは脅威と考えないような、
無神経な態度であってはならないものです。

 共産、社会党双方に人心を非常に巧みに操り、詭弁述に長け、論述を鍛えております。
 ミイラ取りがミイラにならぬように彼等を説得することは断念し、
現実の社会主義国の実情のみを脳裏に浮べ、
自由を愛する人間として断乎として亡国的思想からは自らを制して遠ざけるべきでしょう。
 目的が誤っている以上、彼等の温情や奉仕は、偽善にしか繋がらないと心に言い聞かせ、
義理人情に流され、共に祖国を失うような愚挙にはくれぐれも出られぬよう、

私ウリエルから重ねてお願い致します。

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法