第四章 天上界の人びと

 (一) ミカエル大天使長(天使の長 [おさ]
 私は、ミカエルでございます。
 あなた方の中でご存知の方もあると思いますが、
御存知でない方は私の名前を世界歴史の中でジャンヌダルクに啓示を齎し、
フランスを救うことを命じた天使ミカエルとして、
又聖書の中で天使ガブリエルと共に受胎告知の役を果たし、
イエス様の生涯に助力者としてその御働きを支え、
御教えを広めるのに他の天使方と共に使徒達を集め、
いろいろな奇蹟に力を貸した者として、又、聖ヨハネ(若きヨハネ)の黙示録に七つの災害を齎し、
最後の審判を行う役目を与えられ、地上に降(くだ)り来る七人の天の使いの一人として、
はっきりと名を録されており、又その同じ時に、一千年の間大蛇に姿を変えられ、
閉じ込められていたサタンであるルシファーと戦う者としても録されております。

 私がこの度、この書を通じて皆様にお話ししたいことは、
メシヤとして崇められてきた釈迦牟尼仏様やイエス・キリスト様、
或いは、エジプトの捕囚の民として長年の間虐待され迫害を受けていた多くのユダヤ人を、
ヤーウェの導きの下に紅海を渡り救い出したモーセ様
(これも聖書の『出エジプト記』に録されておりますが)、
及び昨年一九七六年六月まで七年の間、キリスト教に於ける唯一絶対の神として拝されてきた
エホバ、ユダヤ教に於てはヤーウェ、の生まれ変わり、
即ち、肉体をお持ちになった全能の神として伝えられ、正法と呼ばれる神の教えを説き、
多くの書を残して天上界に帰ってこられました高橋信次先生の四人、
他にも多く偉大な教えを残された宗教界の人々も含めて、
これらの方々がすべて一つの源から出ていること、
即ち、同じ教えを広めてこられたことなのです。


 その教えは、遍(あまね)く宇宙を含めて同じ法則に従うものであり、
自然、人間、動物、植物を問わず、ありとあらゆるもの、
並びに現象は宇宙にその源を辿るものであり、
宇宙はそのあらゆる事柄や現象を生み出したものと見做されるべきであり、
これが即ち、皆様が神と同じものと定義すべきであるというものなのです。
 何故ならば、今まで神と崇められた方は、すべて偉大な人間の魂であり、
進化の法則に従って派生した一生物の一環をなすもの、
動物の種族の一つである人間の魂に過ぎないからです。

 私達天使も、如来様も、菩薩様も、偉大な学者も発明家も、医者でさえも、
死後は同じ人間の魂であり、それぞれの位置する所によって、
その働きや役目が異なるだけなのです。
 勿論、イエス様やモーセ様やブッタ様、高橋信次先生(ヤーウェでありエホバである方、
と同時に、今生ではエル・ランティという名で知られておりますが)
は神と崇められるに相応しい偉大な方であり、
その魂は永遠に天上界の最上段階である九次元に住まわれ、
地上の人々を種々の悪の手段(てだて)や地獄への誘(いざな)いより守る為、
日夜心を砕き、天上界の霊達に指図なさっているのです。

 それは、人間達が自然の一部であることを忘れ、魂は不滅であることを忘れ、
破壊や堕落に移ろいゆく人生を委ねており、

又、滅びるだけである肉の思いに溺れ、
一度の死によって終わるのではない、与えられた素晴らしい魂に

善き思いや、美しい世界を見せることなく、
悪霊の導くままに知らずに真っ暗な地下の闇の世界(地獄)に落ちてしまう。

 そのような愚かな生き方に目を開き、
何が真の人生であるか、何が神の国であり、平和であり、理想の世界であるかを悟るべく、
何度も何度も繰り返しいろいろな宗教家を通じて、又、メシヤと言われた人々を通じて、
教えようと試みてこられたことからも明らかなのです。

 宇宙の一部である人間は、
お互いに助け合い、身を供して他のものを生かしている植物や動物、
或いは恒星と惑星間の繋がりにも見られる大自然の法則を

無視して勝手な行動に出るのは許されないことであり、
私達天上界の魂はそれを許さぬ為に、
(地上の人々を幻惑し、或いは扇動して自然破壊、環境破壊、延いては人類滅亡、
地球上の自然現象にも影響を及ぼし、地球滅亡を速めるような愚行に導く)
悪霊達との戦いに、日夜努力を惜しまず働いているのです。
 それは愛の心、慈悲の心なくしては理解し得ない真理であり、行い得ない事柄なのです。

 モーセ様もイエス様も等しく、
放縦に身を任せ野蛮な心しか持っていなかった当時の人々に、
人間としてしてはならぬこと、為すべきことを戒めとして、又教訓として教えられ、
イエス様は特に愛とはどのようなものかを説かれました。
 その教えや戒めをもう一度読み直し、或いは、学んで頂きたいのです。
 又、ブッタ様は、宇宙と個人とは同じものである。
 同じ法則に従った生まれ変わりを永遠に繰り返すものである。
 これを科学の世界では物質不滅、質量保存の法則と言い、
ブッタ様は生まれ変わり、死に変わる、永遠の魂を持っていることを
転生輪廻と名付けられました。

 又、太陽があらゆる物に変わりなくその光と恵みを与えるように、
人間の心も慈悲の心で満たされなければなりません。
 そして、人間や階級の差別を無くす為に、人々はお互いを尊敬し合って

正しい判断の下に中庸の心で生きてゆかねばならないことを教えられました。
 これらの教えは、すべて天上界の意志であり、教えであるのです。

 万物の霊長である人間は、
自然界で行われている相互保存、共存共栄の法則を破壊してはならない。
 寧ろその範となるべく、

人間間の相互保存、共存共栄をもう一度考えてみなければならない。
 そして、そのようにして齎された調和された平和な世界は、神の国と同じものであり、
古き昔に失われた
エデンの園と呼ばれる理想の世界であるのです。
 そこでは破壊や挫折はなく、文明も滅びることなく、
どんどん高度な文明が築かれることも可能なのです。
 人間が肉的な五官に根差した欲望に執着しない限り、
精神も成長し、 愚かな行為に走ることもなくなるのです。
 これが神の真理 ー 神理と呼び、正法と私達が名付けているものなのです。
 
 高橋信次先生が、今まで説かれなかった宗教の科学的な解釈を提唱され、
初めていろいろな著書を著わされました。
 それに続くより深く科学的に解明されたものがこの書です。
 もし、世の科学者と言われる人々が敬虔な心を持って、真に神の意義を問い、
私達が何を人々に伝えようとしているかに耳を傾けて下さるならば、
これを契機に宗教をもっと詳しく科学的に研究された書も

これからどんどん世に出てくるでしょう。

 ギリシャの時代から哲学の分野で説かれてきた真理を冷静に見つめ、
自然と人間の関りについて探求し、明らかにしてきたもの ー 
それが今再び明らかにされ、過去に於けるメシヤと呼ばれた人々が
全体として解き得なかった事柄や真理を加えて、皆様に学んで頂き、
如何に人は生きてゆくべきかを悟って頂きたいのです。
 その為に、私達異次元のものである天上界の使者が霊として、
霊と語り合える能力のある方々を通じてお話しているのです。


 人間とはどういうものか、どうあらねばならないか、どう生きなければならないか、
お互いの協力によって初めて世界の平和と幸福と繁栄が齎されることをよく理解し、
その通りの人生を生きて頂きたいのです。
 イエス様の時代より、人は地上に神の国を作ることを求められてきました。
 その神の国(天国)とはこのようなものなのです。

 それから、こういう機会を与えられて、皆様にはっきりお伝えしておかねばならぬことは、
私が存在せぬ者であるとか、高橋信次様のお子様と合体した霊であるとかの
間違った噂が世間に流されておりますが、それは全くの誤りであり、
私はこの書を通じてはっきりとそれを否定したく思います。
 如何に"私の生まれ変わり"であると繰り返し多くの人々に語られ、
或いは、書物に書かれても、ミカエルである私自身がそうはっきり否定するのですから、
二度とそのような誤った考えを持ち、誤った説を主張せぬよう、
私はここに強くその人に忠告致します。
 これは私のみならず、天上界の高次元を代表する人々の忠告なのです。
 この書は、真実の天上界の計画及び声を明かにするものであり、
誤った噂が公然と世の中に認められているならば、
それを一つ一つ正してゆく目的を持つものなのです。

 又もう一つは、悪霊の世界、或いはその計画を知らず、
意識せずにその場限りの楽天的な人生を歩む人々に憑依し、その魂を蝕み、
世の中に害悪を流す手先となしたり、
悪霊の存在を知る人をも、その巧妙な手口で何時の間にか踊らせ、
天上の意志や計画とは異なる方向に他の人々を誤り導かせ、
思うままに、神の子である霊に導かれるべき善良な人々を操る ー
そのように憑依せる悪霊の集団の行動を、束縛し、
その強化を阻む目的を持つものなのです。

 何よりも私達がこの地上に住む人々に望むのは、
世界が一つになり、天上界と心を合わせ、調和と平和の世界を築き上げることなのです。
 それは、日本という狭い地域に限らず、
世界中が心を一つにしなければ、実現出来ないことなのです。
 何に目標を置くか、それが大切なのであって、
各人が正法を行うことに心が向くこと、正しい形の正法を説くこと、
理解を深めること、良き悟りへと何時も努力することなのです。
 そのような方々からは悪霊も離れ、同時に天上界の守護が力を増すでしょう。
 それを私達天上界の者は何時も望んでいるのです。

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