現象テープ№21 「原罪について」
 80年4月13日 ラファエル様現象(霊媒 土田展子)

 私はラファエルでございます。先程から興味深く討議を聞いておりました。
 先程から質問カードを見ておりますと、"原罪"という言葉に惹かれましたので、
"原罪"を説明し、更に今日の討議の内容についても触れてみたく思います。
 "原罪"とは何を指すのか。
 "罪"という言葉によってそれは悪いものであるというふうに看做されておりますが、
それは少し違います。
 人間は何故"原罪"を背負うようになってしまったのか。
 それは人間が他の動物と分かれ、知性を持ち、自然から半分独立したからです。
 それだからこその"原罪"なのでした。
 "原罪"とは己で考えるが故に過ちを犯し、悪を犯してしまう、
それ故に善の方向へ向かわねばならな いということ。
 悪の観念が生まれた故に善の観念が生まれたということなのです。


 即ち人間以外の動物には善も悪も存在しません。
 概(おおむ)ね生き方を見ていると、動物の生活史は善であると言うことが出来るでしょうが、
人間がそれを見て、野生動物はすべて善である、自然の法則に適って生きている、
だから人間は間違っている、という議論は当てはまりません。
 人間には人間の生き方があるのであり、
動物には悪が存在しないからこそ、善がないということ。
 人間には悪が存在するが故に善が存在するということ、これを確り考えねばならないのです。
 私達は悪いことを考えることは楽しいと考えることがあります。
 しかしそれ故に善を考えることは尚更難しく、素晴らしくもあるのです。
 悪を踏まえての上での善は強いのです。それはここに意味があるのです。
 悪の裏付けのない善は存在しません。


 誤解無きように申しておきますが、善と悪は両立するものでもないのです。
 両極端に立ち、一方が一方を征服するものなのです。
 あなた方は人類の歴史六千年の中に於て、今迄そのことを学び続けてきたのでした。
 人類の歴史は物質文明だけではありません。心の進化をも辿ってきたのです。
 それは私達の良心の進化と言っても宜しいでしょう。
 古来より聖人、義人と言われた人々によってそれは示されてきました。
 先週の東京のミカエル様のメッセージにもあったように、
私達は進化しなければならないのです。

 過去に於ては人類の知性の発達も遅く、分らぬ者が多かった故に、神を造り出しました。
 即ち自分の存在を超えるもの、

自分の理解の範疇を超えるものとしての神を造り出したのです。
 そして神に依ることによってのみ疑問に思った点、分らない点を解決してきました。

 占いというのもそれに起因するものであるでしょう。

 しかし今出てきたようにノストラダムスの大予言といわれるもの、
仮にあれが真実のものであっても、あなた方に何を齎すのでしょうか。
 予言は当たればそれでおしまいです。しかし私達は生きなければなりません。
 予言が当たろうが外れようが私達は生きなければならないのです。
 良心の進化を遂げなければなりません。
 占いが当たったといって、あなた方の不幸な面が解決されるでしょうか。
 大予言が当たったからといって、次にユートピアが来るでしょうか。それは違うのです。
 
 私達は今、末法の世を迎えているからこそ、善なる進化を遂げなければならないのです。
 悪を持つが故に善の進化も妨げられてきました。
 そうであってはならないのです。
 先程の方の意見にあったように、全てこの世の中のものが破壊され尽くし、
新たなることを始めない限り、次は生まれないのではないか ー
そのような意見も勿論あるでしょう。
 しかしそれではいけないのです。それでは何の意味も持ちません。
 私達はこのままで、上手に進化を遂げなければならないのです。

 すべての人が理解を持ち、正法を実践し、神性に目覚めなければならないのです。
 それは古来の宗教で言われてきた神秘的な体験であってはなりません。
 何故ならば、宗教に依る神秘的な体験などは、直ぐに感動が薄れてしまいます。
 それはあなた方もよく経験することだと思うのです。
 神秘的な体験の次に来るもの、
それは真の自分は一体どのようなものであったかという目覚めなのです。

 人々はそれに当った時、大変苦しみます。私は何と自分勝手な人間なのであろうかと
 しかしその自分勝手な人間を、他人思いの人間に変えてゆくことが今の課題なのです。


 私達はよく子供にも美しい心でいなさい、立派でいなさいと言います。
 しかし美しい心と言われるものがどういう心なのか説明できますか。
 美しい心というのは他人の幸せを願う心です。
 不幸な人がいる時、或いは自分の愛している人がいる時、幸せになってほしい、
自分に望むように相手にも幸せを願うこと、それを美しい心と言います。
 それが今の世の中のように、あなた方の善の進化を妨げ、悪へと助長させる風潮が強い時程、
その発達が望まれます。

 美しい心 あなた方は他人の幸せを願う時に、
自分で何か清々しい一種独特の飛躍的な気持ちになるのを感じたことはないでしょうか。
 あると思います。その心を常に失わずにいてほしいのです。
 又それは思うだけであってはなりません。実行されなければならないのです。

 思うだけなら誰にも出来ます。
 しかし、もしあなた方が危惧に陥っているように、
食べ物はなくなり、人口は増え、正に地獄の世の中へとなった時に、
そうなることは避けたいのですが、そのような時に、
自分も一つのパンが欲しい、そう思った時に
隣の人にパンを分けてあげられる、そういう心になって欲しいのです。
 
 あなた方は今日、家に帰ったら何を考えるか、今日ここで何を学んで帰ったか、
それぞれの胸に抱くことがあるでしょう。
 そういう心を大切にしてほしいのです。 向上心とはそういうことを言います。
 そしてあなた方が常に人の幸せを願っていることを私達は望んで止まないのです。
 何よりも自分が立派になろう、きれいな心になろうとすることよりも、
きれいな心でいることを望むことです。
 自分はこうなりたい、ああなりたいと願うよりも、まず自分がそういう心でいること、

何よりも、何時も何時も他人のことを願う人間であってほしいのです。
 そうすればあなた方は自ずと自己の性格の発展をも促していると気付く時があるでしょう。
 それではこれで現象を終らせて頂きます。どうも有難うございました。

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