第二章 エル・ランティ(エホバ)の章
 私は少しもあなた方に直接話しかけたり、正法を説いたり、
メッセージを伝えたことがないと思われているいるようですが、
実は何度も人間と合体し、転生を繰り返して、その過程で人々に法を説いてきました。
 そしてミカエルの章でミカエル大天使長が申しましたように
高橋信次様の合体霊とされているのは真実ではなく、高橋信次様はブッタ様の本体にしか過ぎず、
そして単に如来界の上位に上がったにしか過ぎないというのも真実です。
 これは天上界の計画の一つですから、敢て訂正することは致しませんでした。
 サタンを欺く為です。

 しかしミカエル佳子嬢は天上界の計画にはなかったので、訂正致さねばなりませんでした。
 ミカエル佳子嬢がミカエルの本体であるという説をそのまま通されることは、
天上界の威信に関ることでもあったからです。
 後継者が出ていなければそれでもよいでしょう。天上界はその虚言に肩を貸しましょう。
 しかし後継者はGLA外部にちゃんと時が来るのを待っており、
悟りを得ると共にG会に入会しようとしたのです。

 私達はその為、いろいろ顕現を計画し、予(あらかじ)めGLA研修会でそれを試みましたが、
頑なな心の人々はその暗示に気が付きませんでした。
 勿論私達はブッタ様の十大弟子の一人として、千乃裕子様を紹介する積りはありませんから、
その時は見過ごしました。昨年(七七年)の二月のことでした。
 そして三月、四月とG会は千乃様の入会を拒否し、
千乃様の悟りをお母様から伝え聞いた近くの支部の支部長や他の会員は、
お母様に事実を否定させようとしました。
 それをさせるような私達ではありません。
 G会会員の腐敗ぶり、愚昧な行動に接し、天上界はG会を見棄てることを決議しました。

 元々囮の団体ですから、天上界に取っては新しき法灯が続々と入り、大きくなり、
そして正しき合体霊が千乃裕子様とミカエル佳子嬢
(高橋信次様が後継者にしておしまいになったのでGLAを統率しておられますから)
の協力によりG会の方々に知らされ、
改めて千乃様が後継者であることを、佳子嬢から知らせて頂こうと思ったのです。
 しかしそれは無理だと解りました。
 ミカエル佳子嬢があまりに偶像視され、"偉大な方"との賛辞と共に、
その霊能力と容姿の故を以てメシヤとして崇められていたからです。

 霊能力といっても、病気を自分で癒す、憑依を自分で取ってあげるといったものでなく、
只天上界の声を伝えただけであり、四次元の霊によって喋らされていられました。
 それ以外にはありませんでした。
 サタン憑依の後はサタンの声と波動をGLAの会員に伝えただけなのです。
 その時は会員はすべて憑依され、
憑依されなかった心正しき者、純粋なる者はその波動を受けた後、病に伏し、長く病みました。
 それを悟りGLAを出た人もおります。

 憑依を受けて病が始まるのは、正しき理由があります。
 それは霊的、迷信によるものだけではなく、
その病で死亡した霊が、霊体の修復が付かぬまま彷徨うからです。
 そして人の身体に憑き、その健康な身体のエネルギーと光を吸収し、

自分の病を癒そうとします。
 それ故同じ病が伝染
(うつ)るのです。

 そして三次元の人は三次元の医師に掛かり、その病を治さねばなりませんが、
それも又嬉しく、憑依霊が病人と共に治療を受けるのです。
 しかるに霊体の病は天上界にて治さねばならないのに、三次元にいるものですから、
三次元の治療で治らず、その人を益々病の床に留まらせます。
 しかし三次元で病癒えた人は光が出、憑依を跳ね返すことも可能ですから、
私達は三次元の病は三次元の医師の元へ、と教えます。

 余談になりましたが、G会は新しき法灯のどの人も受け付けず、
只自分達と自分達のメシヤを崇拝する人のみを会員にしました。
 それ故にミカエル佳子嬢を頂点に巨大なピラミッドを築こうとしたG会を天上界は排除し、
会員を逆にG会から離れさせました。
 内部の上層部でも見識のある方はミカエル佳子嬢の行動を批判、忠告致しましたが、
周辺の幹部が受け付けず、逆に批判、忠告する者を陥れる策を巡らしました。
 精神病院に送り込もうと宮田直子を追いかけたこともあり、まるで無法地帯の如くになりました。

 そのようなことが私達天上界に認められ、存続を許されるとでも思ったのでしょうか。
 宗教史上おおよそメシヤ周辺にあり、神の法を説く者が、
会員が反省を求めたからといって精神病院に入院強制を企むような、
且つ実行したようなことがあったでしょうか。
 すべては時の流れに埋めようとしておりますが、実際GLAはそのような手法を用いたのです。

 そして又高橋信次氏はG会の無法振りを修正、統制もせず、責任回避をして、
私達にその任を委ねました。
 囮の団体を作ったのは私達ですから、出来るだけのことをしました。
 しかし、あろうことかGLAのミカエル佳子のみへの献身によるメシヤ教的一貫した態度が、
外部の努力と私達の努力で高橋信次熱が戻ってくると、
高橋信次氏は天上界への裏切りを計りました。

 サタンとは別行動で天上界の善霊を味方に引き入れ、半数を裏切らせたのです。
 そして三次元に働き掛けさせました。裏切りは昨年(七七年)の二月から始まりました。
 裏切った天上界の善霊は最初五分の一、そして四分の一、そして三分の一と
二箇月毎に増えてゆきました。
 超能力を持つベー・エルデからのサタンは私と同じことが出来る知識と能力を持つが故に、
三次元は何が真実か判らなくなりました。


 その上高橋信次氏も別の所に於て『天国の扉』の出版を遅延させ、売れ行きを押さえ、
書店での販売方法を巧みに操り、出版社と私達の努力を無にしました。
 千乃様のお母様の知人をして次々と裏切らせしめ、
私達の法灯と目した人々に天上界不信の念を与え、
天上界の為に正法を説かせなくしました。
 高橋信次氏の誤った正法を説き続けさせるよう一人一人を天上界に背反させ、
結果は高橋信次氏を筆頭とする新しい偽我の天国を作ることになる所でした。

 そして千乃裕子様の生命と七大天使の生命とを
サタンとその配下と、高橋信次氏とその支持者で二度も狙い、危くせしめました。
 そして私達は十日間戦った後二月十三日にやっとそれら天に刃向う者のすべてを
消滅することが出来たのです。
 高橋信次氏を除いて。その理由はお解りでしょう。

 善人としての生涯を終えて後の、裏切りだったからです。
 天上界の計画の犠牲として出来得る限りの慈悲と更生の機会を与えました。
 しかし反省は表面だけでした。
 何故ならば三万に減り、再び四万にサタンの力で増えた会員と、娘への執着があったからです。
 愚かしく惑わしの内に生きた娘への哀れみが、最初の高橋信次氏の背反の動機でしょう。
 私達はそれ故慈悲の名を以て同氏を四月二日まで許容し、
只反省と行いを改めること、天上界の方針に協力することを要請しておりました。

 しかし高橋氏は四月二日遂に最初にして最後の大掛かりな計略で以て、
一人で天上界の残っていた善霊と千乃裕子様の全生命を危機に導き、破滅させようと企みました。
 そして午前五時十三分に消滅されたのです。
 メシヤとして崇められ、死後の名声も並々ならぬ人であった方が
裏切るなどということは曾てなかったのです。

 イエス様が裏切り、ブッタ様が裏切り、モーセ様が裏切り ー 
そのようなことをあなた方は想像だにし得ないでしょう。
 しかし後に残した弟子達が愚かなことをして天上界に背を向けるようなことを為し
GLAと同じ狂気の道に入り込めば、
そして私達にそれを再統制するようにと要請を受ければ、
同じことをこの方々もされたかも解らないですね。
 高橋信次氏よりは、しかし、この方々は苦労をなさり、
完全に執着を捨て、家庭を捨て、或いは離れてしまった一生を送られましたから、
魂の修業の度合いもことのほか厳しく、
天上界に上がられてもいろいろなことに耐えられました。

 この点から人の一生に於ける、苦しみに出会い、乗越え、
或いは己に厳しく突き詰めて法を行い、他には慈悲と愛を注ぐのみという魂の修業が心の九層

注。
 霊界の階層である地獄(一次元)から天上界最高次元(九次元)までの各層の霊に繋がる
各々の心を一人の心の内にすべて持っているということ。
 神の心に近づく程に、天の光が強くなる程に、
善我(真理への愛)が心を支配するようになります。
 神(の心)に意識が向いているのが善我であり、
地獄(悪の想念)に囚われた意識が偽我です。

のすべてに行き亘っている方は、
死後永遠の生命を得られて天上界でいろいろなことを見聞きし、
人の真実、信義、正義、愛そして慈悲の光に照らして四次元の時を過ごす時、
何ら過ちを犯し、或いは天上界の意志に反し裏切ることなどは決してなさらないのです。
 
 いま天国に住まれている方々の数は減り、新しい方々が来られていますが、
天上界を裏切られなかった方のみです。
 又裏切る可能性の最も少ない方々のみを新しく選びました。
 最後の審判によってまた数が減ったのですが、その後も高橋氏に次ぐ裏切りが日々行われ、
その度毎に善霊の数が減りました。

 霊体は一つのことについて迷いが生じると、
なかなか他のことに気を転ずることが出来難いのです。
 その欠点がここに於て具体化され、天国がバウンティ号の叛乱の如き様相を呈しました。
 天国だとて、霊の世界は、心の修正が何時も要求されるのです。

 霊はエネルギーそのものといってよい程ですから、一つの思念が

それの持つエネルギーと等量になって、それだけ集中したエネルギーの塊となります。
 肉体を有していれば、種々の生活上の必要性から気分を転換させ、

悪心、邪念の集中が避けられますが、霊体はこの点に於て、辛い日々を送らねばならぬのです。

 人間と同じように感情が動きます。地上にいる死霊、浮遊霊だとて決して愚鈍ではありません。
 只思考、推理、判断などの面に於て、又記憶の度合いが天上にいる者と比べて劣るのです。
 非論理的、非合理的なものが多いのです。
 (多分一つのことばかり思い詰め、他のことは考えないから、
全体に於て知能の程度が低いのでしょう。
 簡単な説明で納得するものもいます。
 が、納得しないものは何度言って聞かせても納得しません。)

 このようにして私達天上界は顔触れがすっかり変ってしまいましたが、
天上界に於ける最後の審判は終り、後はこういった不慮の災害の後始末だけなのです。
 そして三次元の最後の審判はこの二月二日、即ちサタンとの闘いが始められた日より、
裏切りにより妨害を受けながら続いております。
 今全世界の約半数が終わりました。生きているままで罪に定められてゆくのです。
 それが新約聖書の黙示録でヨハネが霊示したことの成就であり、神の国の備えの為、
古きを新しきものに変えてゆく大きな分岐点でもあるのです。

 又高次元の者の数が激変し、天上界の統制の為、人数を増やさねばならぬことになりました。
 その為この八月より、以前より強化する目的で、九次元には十一人の方が、
元七大天使の内六人が加わって、指定され、
その上の宇宙界には同時に今の地位を引退する私と後任のミカエルとがいることになります。
 大天使長、大天使、天使のリーダー、サブリーダーが顔触れが変わります。
 それも公式に私から声明を出しました。ブッタ様、イエス様、モーセ様も宇宙界に来られます。

 さて何よりもあなた方に申し上げねばならぬことは、四次元と三次元の縦の繋がりが、
今までサタンの続出と妨害によりもう一つ上手く行かなかったので、
地上にユートピアを築くことが単なる理想として終っていた、

ということを告白致さねばなりません。
 私自身も直接あなた方に話し掛けることにより

地上との心の交流を増やそうと心掛けてきましたが、
その度にサタンの巧みな妨害により、
旧約の時代には私についての歪んだ伝説が作り上げられ苦労を致しました。
 神の怒りとされたものの中にはサタンの破壊も混じっていたのです。


 イエス・キリストの時代にはイエス様を通じて話しかけることが出来ましたが、
その後再びそれが不可能になり、
自然に霊能を備えていた方々に大天使或いはダニエルやサミュエルが働きかけて、
私の意志と目的を伝えて頂いたのです。

 今生に於ても中野氏主宰誌一月号に、
私とベー・エルデより助力に来て下さったテリエル大天使長のメッセージを
千乃裕子様、土田展子様のお二方に通信し、載せて頂くべく送りましたが、
同氏はサタンに疑惑の心を植え付けられ、独断で没にされました。
 十二月のミカエルの法を説く通信も同じくその運命に遭いました。
 天上界はG会内外の裏切りと背反に遭遇したのです。
 夢にも考えていなかったことで勿論私達は同氏の断罪を定め、
永遠の生命を取り去るべく決議致し、その旨高橋信次氏を通じて通告しましたが、
この方が裏切りの心を持っていたのでしょう。
 
 その通告の内容、方法が疑いを残すものの如く仕組まれたのに違いありません。
 或いは、それを受けた時、同氏の心が怖れを感じず、

魔のものと感じるように意識に働きかけたのでしょう。
 裕田光穂の名で『天国の扉』に御寄稿下さりながら、このような結果になったのは、
サタンと高橋信次氏に私達天上界に対して不信の念を抱くべく、
意識を支配されたとしか言いようがありません。
 最初千乃様を信じ協力的であった方の背反も簡単でした。

 これらすべてはベー・エルデのサタンであり、
優秀な物理学者として一生を過したダビデ・カンターレ、
即ち私の双子の弟の仕組んだものなのです。
 ここに至るまで私の心に迷いがあったのですが、
やはりこれは最後の審判の時であるので、
他のすべての天上の異変と共に明らかにすべきだと思います。

 弟であるが故にその魂を救うことは私の永遠の夢でした。
 私に協力し、正法流布のユートピア建設の妨害さえしてくれなければ、
普段は気の好い人間でした。
 ただいたずら気が多く、静けさと平和を好まぬ人間だったのです。生きている時から。
 そして妻エル・ヘレナ ー ヘラ・カンターレも悪人ではありませんでした。
 ただ夫と同じことをして四次元の能力の偉大さを知り、
三次元を意のままに操れることに楽しみをさえ感じるようになったのでしょう。
 後悔して善霊になってもこの二人はすぐ偽我の心が出てきて、悪霊化するのです。
 同じようなパターンは人間の一生に巡り会う人々の中に幾らでも見出せます。
 いたずら気が多く、人を困らせて喜ぶ性質、

誤った理想主義や自分の主義、主張を他に押し付けて、内容の是非を問わず
意のままにならぬ時は制裁を加える ー  甘やかされた人格にこのような人が多くいます。

 それが私の双子の弟という特殊な位置にある為、増上慢と支配欲が嵩じてきたのです。
 私に解るような手段は決して用いませんでした。
 しかし妨害の主なものは弟から出ているのを知っていました。
 そして出来るだけそれを取り除く努力をしてきました。
 
 弟は自己の有するあらゆる知識を、霊となった時、仕事を持たぬ者として時の長さに倦み、
私の建設的計画を破壊することに用いたのです。
 四次元の能力を駆使して。

 これは(全能の)神として考える時、理解し得ぬ事柄ですが、
人間の霊として考える時、人間の性格をすべて合せ持つ者の背反、破壊衝動、謀略、破壊行動 ー
これらの図式から、一人の人間が天上界から地獄の波動を持つに至る過程、
そして反省と行いを改めながら再びサタンになることも、あなた方には容易に理解し得ましょう。
 人間ルシファーは私の弟の妻に操られ、合体霊天使ルシエルと共に犠牲者となりました。

 そして私は昨年の諸々の不祥事に出会った時、遂に忍耐の限度を超え、
最後の審判を弟夫婦も共に含めて行うべく命令したのです。
 天上界 ー 天国を厳しき法と掟に律せられた、且つ慈悲と愛に溢れる善霊の住み処と見做す時、
そしてそれを三次元に置き換え、善なる人々の集まりから、
ユダの如き悪に転ずる、或いは悪の誘惑に負けた人が出る時、
私達天上界、特に私が今まで背負ってきた十字架をご理解なさるでしょう。
 そしてダビデに言葉巧みに惑わされ、私達を裏切った善霊の気持ちもご納得なさることでしょう。


 私はここにあなた方にはっきりと宣言致しますが、
今後再びこのような混乱した事態を生じさせぬ為に、
人間として三次元で過ごされているあなた方は
益々己の善我を強め、その心を浄化させ、
社会悪、道徳に反する諸悪を憎み、正義とは何か、をもう一度考え、
その基盤に立ってのみの信義と愛を貫き、慈悲を与え、
そして神(天上界)の守りと愛への信仰が互いへの同じ質の信頼感と変るよう
努めて頂きたいのです。

 事の善悪、是非、真実と虚偽、(それらの判断を誤らせる)
おおよそ人間として俗世の心、俗人の心として疎ましく思われるものを鋭く見抜き、
それを自分の心から追い出すのです。
 何故ならば、それらはすべて悪霊の喜ぶものであり、
自らを悪の魂と変えるものであり、
私達天上界が受け入れぬ
(真理、善の観念を愛する神の心とは相容れぬ)ものだからです。

 人間的な欲望、虚栄の心、自己顕示、競争心、名誉欲、支配欲、権勢欲、所有欲、
金銭に対する執着の心


 G会は正法の為に働き、報酬を得ること、
正法を高く人々に売りつけることを何とも思わなくなっていますが、
これは高橋信次氏に働き掛けられたブッタ様が与えることの喜びを教えられた、
自ら多額の寄附を為し、他にもそれを要請することから、
寄付や会費の額高に無関心になったのです。
 そのような中で、GLA幹部や事務を取る者や講師は、
団体としての経営方法を軌道に乗せた同会で、一定の報酬を得て働くことを
何とも思わなくなりました。
 これはどの宗教団体にも当てはまることで今更新しい事実ではないかも知れません。

 しかし正法を説く団体として
苟(いやしく)もブッタ様の本体である高橋信次氏の慈悲の行為を
自分のものとなして人の範とならねばならぬのに、
欺瞞と偽善の施しで人の歓心を買い、自分達だけの道義を振り廻して
人に己のみが正しと説き、その思想には何の広がりもない。

 宇宙の法則を系統だてて個々の法則に当てはめるという正法の大原則を説くものは誰もいない。
 只八正道と中庸とありきたりの道徳論と ー それのみを説くだけでは
この滅亡に瀕している地球を救うだけの熱意を人に伝えることは出来ないのです。

 ブッタ様はもっと大きなことを説かれました。
 もっと種々の地位、階級の立場に立って、その人々の為すべき勤めを説かれたのです。
 今数えきれぬ程ある宗教団体でそれを説き、また地球の危機を救う為に積極的に努力し、
世界に呼びかけるものは幾つあるでしょうか。
 本当に道を説くものならば、そのようなことに黙っていられる筈はないのです。

 ですから私達は宗教は人の夢や希望に巣喰う害虫のようなものであるから
駆除しなければならないと説き始めたのです。今世紀に於て初めて。 
 宗教は人々にお行儀よく座って食事をしなさいという親のようなもではありません。
 人の先に立って善とは正義とは何かを説き、
積極的に世の誤りを正して歩くべき目的で結成されたものです。
 この観点に立って私は、心の在り方のみを説く仏教は、
もう少し積極性を要求しなければならないと思っております。

 それが人々の寄付や会費や献金、賽銭などの名目を付けて、宗教家が真の道を説くのではなく、
説教屋に成り下がり、札書きに成り下がり、呪文を気休めに唱えたり ー
それらの知識を自分と自分の家族と自分の眷族を養う報酬を得る為のものとしてしか利用しない ー
まことに人類の幸福を名目に繫栄という架空の約束を与えて
(人智では如何ともし難いことを、神の約束を取継ぐという訳でもなく、
空手形を振り出しているだけなのです)
神頼みをすれば、どんなに欲の塊、野望の塊、背徳感であっても、
その恵みは与えられるものだという自信を人々に与えるのです。

 神はそのような約束は致しません。天上界に入るべき資格 ー
即ち善に徹し、善我に徹した人でなければ幸福を約束したりなどしないのです。
 その気はありません。
 悪が栄え、善が不幸を噛みしめるような世は二度と来たらせないでしょう。
 もしこのまま地球が滅びるのでなければ。
 これは善我を確りと把握した人々への福音なのです。
 よく心してこの巻に述べられている事柄、内容を理解し、弁(わきま)えて下さい。

 小さな子供達、少年少女、青年達に二度と古き世代の退廃と欺瞞を教えてはいけません。
 偽我の芽を出してはいけません。
 伸び伸びと振舞うのは良いことです。良い意味に於て人間的であるのも微笑ましいのです。
 しかし決して、それが理性を失った野獣の王国の一員となるものであってはなりません。

 私達天上界は歴史の変遷と共にいろいろな種族の栄枯盛衰を目にし、耳にしてきました。
 その原因となるものは必ず一つ ー
無知と無責任と不道徳の故なのです。


 一つはっきり述べておかねばならぬのは今から二千年を遡る時代の頃、
詰りイエス・キリスト誕生の二、三年前に町ぐるみ、或いは地域ぐるみが滅びる
という事態が起こったことが史実として記録されておりますが、
宗教史には神の怒りに触れたとして記録されております。
 これは非科学的な発想であることは容易に理解なさる筈です。
 地球という惑星の成長に伴い地殻変動が起こり、種々の変化が地上に表れる ー
地震、洪水、大雨、氷河期、間氷期、磁気の衰退、増加など ー
ずっと以前からそのような変化に地球は遭遇してきた。
 (必然のものではありますが)それらの延長として、
比較的スケールの大きいものが二度、三度と起こった ー
それを科学の未発達の時代に生きる無知な人々が語り伝え、書き残してきた。

 所謂自然崇拝の感情の伴うもの、それを現代のこの科学文明に生きるあなた方が何故、珍重し、
天の啓示ででもあるかの如く伝承しなければならぬのか不思議でならないのです。
 訳の解らぬ謎めいたものに対する興味と好奇心と、それが何の益をも齎さない ー
そういったものに愛着を持つ傾向があるのでしょう。
 それは男の謎と神秘を探る衝動のようなもの、に過ぎないのでしょうが、
現代文明がそのような横道へ逸れていってはならないのです。
 現実には対処すべき事柄が山の如く積み重ねられております。
 解き明かさなければならぬ宇宙の、自然の未知の法則がまだまだあるのです。

 科学の時代に生きる人々が、非科学的宗教論や神話や、神の実体について、
古代の人間の考えを採り入れ、さもそれが唯一絶対のものであるかの如く人々に誇示する。
 その埋め難い思考のギャップを見出すことが出来ないのでしょうか。
 宗教人は非科学的、知識人は宗教も霊の存在も全面的に否定して、
"解らぬは存在せぬ"と結論付けてしまう単純思考型、
それでは精神の成長もあり得ず、思考力の伸展も知能の開発もありません。

 この国、日本に来てみて私達は国民の思考形態の欠陥というものが解ってきました。
 そしてその成長が遅い理由もです。
 外国人並に個々の責任というものが正しく究明され、それに応える人生を生きてきたなら、
もっと理性で以てすべての事柄、事象を整理し、全体的総合的に整理して、

それを理解しようと努め、責任ある解明を為したでしょう。

 私はまだまだ失望の域を出ていません。
 願わくはこの大いなる迷いから目覚めて正しい理論、
真理とは何かを悟る判断力と心を養って頂きたいと思います。

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法