第七章 天使の詩集 ー 七大天使

(五) ミカエル大天使長

 幻  想
大海原に洗われ、朝に夕にまどろむ陸地の、
 かつては裂けし岩。
 マグマ流入せし玄武の山々、花崗岩の谷々。
 雲母のきらめき、橄欖(カンラン)石の緑、輝(キ)石の輝きは
     天上の星々を映して
眠りし母なる火成岩のかいな。

突如として閃光走り、
 海の泡より生まれ出でしヴィーナスの、
 黄金色に雫したたる
 長く豊かな髪の白き肩にかかり、
     口ずさむ海の歌。
 人類は白き人魚より来たりたり。

宇宙を走る彗星の兄弟の、
 天駆ける二百万光年の旅路。
 我等が父エホバに来たりて告げし言葉。
 新しき水の星に
  可愛らしき生物が住みたり。

父エホバはアンドロメダの星の上に、
 昼のまどろみの頭をけだるく上げ、答えり。
 ピーラよ 我そのことを知りたり。
 天の使いの光の十倍の速度で
  我に知らせしものなり。

汝 十九回目の次の周期に行きてみよ。
 その新しき水の星は
 火を吹き走る人口の星が飛び交い、
 火を吐かぬ星も 自由に駆け
  地表を隠すほどの魚が空を走るであろう。

ピーラよ その時再びアンドロメダに
 帰り来るならば、
 つまびらかに我に語れ。

文明の端々に至る歴史を。
 ー ピーラ兄弟は不運にも宇宙に死にたり。

されど我等が父エホバは
 地球を知りたり。
 何故ならば 今
 彼自らこの星を訪れ、
  その大空と大地を支配せるならん。

 二十一世紀
金色の光差し込む朝の訪れと共に
世界は眩(まばゆ)く新しき世紀を迎えん。
それを待ちし幾星霜の時の長さよ。
この時迄年月(としつき)を経て人々の迎えしものはすべて虚偽のもの。

新しき世紀でなく、
偽りの救い主の到来を知らせる
虚言の歓声(ホザナ)であった。
その中に真の救い主の出現も、虚偽のたれ幕にドラマの終りを見た。

そして幾度(たび)となく、人々は失望を味わい、
味わいつつ再び待ち望んだ。
いつ末法の世が過ぎ、
神の国の到来は側に在るかと。
人類は内なる真の望みを知らぬものであった。

歴史はそれにも関らず容赦なく
雨風を呼び、嵐を呼び、
戦いを招いて人々を傷付けた。
祈るものも戦場に駆り出され、
人殺しの集団に加わった。

科学は人を殺す凶器となり、
政治は支配欲の権化となった。

天の憂いを感じぬ鈍き心持て
悪の誘いに時を忘れ、邪悪な楽しみに
耽ることを覚えた人類は、
神を蔑(ないがし)ろにして一人快楽に溺れた。
それが真の魂の堕落であるとも知らず、
溺れに溺れた。

しかしサタンはそのような人類を好んだ訳ではない。

寧ろ軽蔑した。
悪の誘いと惑わしに、容易に
己を明け渡す人類など必要ではなかった。
寧ろ節操固く、善と正義と愛に生きる
天上に愛されし人々を目掛けた。

何故ならばサタンは信条などなく、
愛などなく、只破壊と混乱と、堕落の過程をのみ楽しんだが故に。

その犠牲となりし人々のみ哀れなり。
彼等が救いの手に目を反(そむ)け、離れゆきて、
サタンの醜き手を救いと欺かれ、喜びし人々ぞ哀れなり。
サタンの徴と天上の徴とを
見極めることなく、未だに思い惑う人々よ哀れなり。

されどそは求めしものにて
我等が声の届かざりし所に住める人は、
闇に住むものなり。
光りに住むと思いて自惚れし人々は、
地獄に住めるものなり。

ああ我等が父の御計らいの
深さを知ることなく、
いとも容易く欺かれし人の群よ。
サタンは父の身近にありて、
真の救いの光をも破壊の道を辿らせ、
遂にその配下となさしめた。
(注。ユダヤ教、キリスト教の神の教えを信じた者が、共産主義の偽善に騙されていった)

父の慈悲と愛を拒みしこの人も哀れ。
サタンの惑わしに偽(いつわり)の栄光を夢見し人ぞ哀れ。
そは悲しき生涯よ。

しかし人類はやはり、救いと神の国を持つべきものにて、
神の手に選ばれし人は
その国の一員とならん。

真の希望と愛と光は常に天より降り注ぎ、
そを求めて近く歩み来たりし人は、
その光を身に浴び、清められん。
その清められし人々のみ我が神の国に迎えられて、
新しき大地と空を形作り、
そこに住むものなり。
我等が祝福のうちに新しき世紀の始まりなり。

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法