第一部 天の教え
第八章 宗教
 神の与えた真理に目覚めた宗教と神から見放された盲目の宗教

一節 宗教の誕生
宗教の発生の根源
現象テープ№19 「宗教と人間の関係」より
 80年3月9日 ガブリエル様現象

「人間の生活には内的な面と外的な面があります。
 言い換えれば公的な面と私的な面とも言えるでしょう。
 外的な面を司るのが社会生活であり、又その行動を規範するものが法律と呼ばれるものです。
 では内面生活はどうでしょうか。
 内面と言われるもの、それを司るものが宗教と呼ばれ道徳と呼ばれてきました。
 何故道徳や宗教が必要になるのか、内面的な生活の規範が何故必要になるのか。
 或いは宗教の持つアニミズム的なもの、詰り霊体の関係することが何故必要になるのか。
 内面に関係するものであれば、何故霊体という目では見えない解りにくいものを
必要とするようになった()のか、それが問題です。

注。
 目に見えない世界が、その世界に生きる魂の存在が、肉体の目を通してではなく、
私達の心を通してその存在を伝えました。
 肉体の耳を通して彼等の言葉を聞いたのではなく、その思い(想念)が伝わったが故に、
彼等の思いを心に受け止めるに相応しい心に導かれたが故に、神の御意志が理解されました。
 彼等は心しか持たず人の心にしか伝えられず、
心に於て彼等を見出した者だけが彼等を知る者となったのです。

 彼等の思いを感じ取ることなく霊体の実在は信じがたいことであったかも知れません。
 しかし霊体が如何なるものかを彼等が自ら語られたことで、
その言葉から理解することが出来るようになったのです。
 神の心から遠くにあった私達に、信じる心を持たなかった私達に、神を必要とする彷徨う魂に、
真理への理解が齎されました。注終)

 人間が他の動物と違う所、それは何でしょうか。
 知性を持つから、それだけではありません。
 人間が他の動物と違う所、それは未来に対する不安を感じるということがあります。
 未来に対する不安、未だ見ずもの、或いは自分の能力を超えるもの、自分の限界を超えるもの、
自分の理解を超えるものに対する不安があります。
 その代表的なものが、原始社会に於いては今年の作物はよく実るであろうか、
或いは今度の戦争には勝てるであろうか、というような占い的なものでした。

 宗教の発生の起源には、そういった未来のものに対する不安、
詰り未来に対する不安から来る、確信を得たいという気持ちと、
それからもう一つ大切な最も忘れてはならないもの、行動規範ということでした。

 何故行動規範がなければならないのか、何故法律だけで人間は規制出来ないか。
 人間は知性を持つことが特徴です。
 知性というものは善性と結び付けば素晴らしいのですが、
欲望と結び付いた知性というものがどの様に恐ろしいか、もう御存知でしょう。
 現在はその危機に晒されているのです。
 知性と結び付いた欲望、これを抑える為のものでなければならなかったのです。
 ですから宗教というものは未来に対する不安と、知性と結び付いた欲望を制御する為の、
言わば人類の、知性の欲望に対する(本能的なものへの)安全弁といった意味がありました。


 現代の宗教はどうでしょうか。
 未来に対する不安を解消する為だけのものではないでしょうか。
 或いは自分だけが救われればいい、自分の先祖だけを祀ればいい、
自分の子孫だけが繁栄すればいいという宗教になっていないでしょうか。
 真理というものは、何処に於ても真理でなければなりません。」

過去に於ては過去の状況に於て説かれた宗教が、
何故現代の新たな悩みを持つあなた方にとって解決になるのでしょう。
 そういうのは新しく取捨選択されなければなりません。
 良いものは良いと認め、悪いものは切り捨てなければならないのです。

天上界からのメッセージ - 神から授けられた正法